苦労して50単位以上を集め、医師会に申請してようやく認定産業医になった…としても、常勤産業医にすぐなれるかと言いますと、そうではありません(ちなみに、認定産業医の資格取得方法は以下の記事をご参考にしていただけますと幸いです)。
「産業医未経験」ということになりますと、採用率は経験者に比べて低く、「一社目の壁」を超える必要があります。その方法について、当サイトで何回か触れてきましたが、今回はその方法をまとめてみたいと思います。
医師の大手人材紹介会社に登録
まずは求人情報がなければ話になりません。自分で産業医募集中の企業を調べる、あるいはコネで入職する、医局から派遣される…といった他の方法もありますが、情報・コネなどがない私のようなタイプは、人材紹介会社に頼らざるを得ないと思います。
私は3回の転職の中で、いわゆる大手の人材紹介会社から、比較的小規模な人材紹介会社まで登録したことがありますが、基本的には「大手の人材紹介会社で事足りる」と思っています。また、大手の方が、レスポンスや企業への対応に関して、転職エージェント自体の質も良いと思っています。
ですので、リクルートドクターズキャリア[PR]とエムスリーキャリアにだけ登録しておけば問題ないと思います。
なお、私の産業医になるまでのドタバタとした経緯は、
にまとめておりますので、一読していただけますと幸いです。
なお、「非公開求人」という文言につい惹かれて、色んな人材紹介会社会社に登録してしまいがちですが、実際は
にもあるような求人がほとんどですので、基本的には信頼のおけるリクルートドクターズキャリアと、エムスリーキャリアの二社だけで大丈夫だと思います。
求人の選別方法、「求人がない」への対処法
良い求人があった場合は、このステップは不要と思いますが、多くの方が「求人票も見慣れてないし、どれがいいのか分からない」「あんまり良い求人がない…」「求人自体が少なく、選びようがない」といった状態になっているのではないでしょうか。
求人票の見方があまりよく分からないという時には、まずは
をご参考にしていただき、どのようなチェックポイントで求人票を見ていったらいいのかを覚えましょう。
1 まずは勤務地と年収で比較
↓
2 勤務日数・時間、副業可能かどうかをチェック
↓
3 支社・子会社の担当有無、診療所が併設しているか否かをチェック
という点については、少なくとも見ておきましょう。こうしたポイントで求人票を比較すると、なんとなく特色が掴めるのではないでしょうか。
次に、「あまり良い求人がない…」という場合、希望条件の見直しが必要なことがあります。
にも書きましたが、
・希望勤務エリアの見直し(地元ではなく、関東であれば東京などの大都市圏での勤務を検討)
・「経験すること」を優先させて、年収や勤務日数などの希望条件について妥協する、もしくは希望条件とある程度の乖離があっても「未経験者可」と謳っている求人に応募する。→2~3年経験後、2社目以降で希望条件に近づける。
・常勤ではなく、まずは嘱託産業医を経験してみるのも一考する。
といったことを検討されてはいかがでしょうか。
未経験者にオススメな求人とは
産業医未経験者も受け入れているような企業の特徴としましては、
にも書きましたが、
・産業医が複数人いて、仕事を教えられる。
・ベテラン保健師がおり、産業医の業務が既にある程度マニュアル化されている。
・産業医の業務がマニュアル化されており、なおかつ企業側が「あまり他社でのやり方に染まっていないドクター」を希望するケース
・「メンタル疾患を抱える社員が多く、精神科的なアプローチで休職者を減らしたい」「メタボな社員が多く、内科的なアプローチでこの問題に積極的に取り組んでくれるドクターを希望したい」など、臨床的な知識・経験を重視するケース
などのいずれかのパターンに該当している可能性が高いです。
中でも、未経験者にオススメであるとすれば、「産業医が複数人いて、仕事を教えられる」という企業だと思います。
やはり経験豊富な産業医は学ぶべきところが多く、なおかつ複数人の産業医がいるところは自ずと超大手企業であり、業務もマニュアル化されていて覚えやすいです(たとえば、休職→復職のプロセスなどもしっかりマニュアル化されています)。おまけに福利厚生もしっかりしており、その恩恵に預かることもできると思います。
「落ちるのは当然」というスタンスで
実は、それなりの産業医経験者であっても、採用面接で落とされることもザラです。
にも書きましたが、
産業医の場合、書類選考→一次面接→最終面接を経て、ようやく採用となります。その中で勝ち残っていかなければいけないため、ある程度は「落ちるのは当然」と思っておいて、受け続けるというスタンスが必要になると思います。
ただ、落ち続けてしまった時には、
にも書きましたが、
・面接対策の練り直し
・求人数が増える11月~1月まで転職活動を休止してみる。
といったことも検討してはいかがでしょうか。
なお、採用面接対策については、別サイト
にもまとめておりますので、ご参考にいただけますと幸いです。