【医師の転職】悪評は覆せない、だからこそ「リセット」目的で転職を選ぶという考え

産業医として社員さんと面談をしていますと、とにかく「評判が悪い」という方の噂も入ってきます。総合職として働いているAさんは、事務職の女性陣から「仕事がとにかくできないのに、自己評価だけは高い」「その上、仕事をサボって隠れてネットサーフィンばかりしている」「ミスをすれば誤魔化そうとして、最後は他人のせいにする」…などなど、散々な言われようです。

その噂は当然、Aさんの上司の耳に入っており、たびたび注意しますがAさんは改まりません。そのAさんはメンタル不調で休職したこともあり、復職するタイミングで産業医面談が始まりました。

悪評を覆すことは難しい

Aさんと話をしますと、やはり職場に居心地の悪さを感じており、「完全にのけ者扱い」されているのは自覚しています。職場で気軽に話をする相手もおらず、仕事を(サボりながらですが)淡々とこなす日々です。

同僚たちのちょっとした嫌味が耳に入れば、体調不良を理由に休んでしまいます。「たしかに、辛い立場だよな…」と同情するわけですが、そこまで悪評が立ってしまっているとその状況を打開することは難しいだろうな、と思います。

産業医としては、話を傾聴し、Aさんの感じていること、思っていることに理解を示して、時にはアドバイスをしてはいますが、「この状況は恐らく変わらないだろうな」と思ってしまっています。

リセットのための転職

ただ、私自身も恐らく、後期研修医時代はAさんと同じような悪評が立っていたのではないか、と思います。「すぐに仕事をサボる」「ミスを指摘すれば逆ギレ」「自己評価だけは高く、仕事はいい加減」など、ダメな若手医師の典型でした。

病棟で働いていても居心地が悪く、ストレスを感じていました。医長から言われて、コメディカルへの対応や態度などについて反省して変えようと努力もしましたが、その評判はすぐには変わりません(というより、「アイツ、医長から言われて変えてやんの」といった嘲笑しているように感じていました)。

やはり、ある程度の悪評が広まってしまった段階ですと、そこからの立て直しは難しいものなのではないか、と思います。その点で言えば、今までの勤務態度などを反省した上で「リセット」のための転職をすることはアリなのではないか、と思っています。

悪評にまみれ、後ろ指をさされながらストレスにまみれて仕事をしているというよりは、そこで一旦「リセット」することも必要だと思います。もし現在、こうした状況に陥ってしまっている、ということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]などの求人紹介会社のキャリアエージェントと一度、お話をしてみてはいかがでしょうか。

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