常勤ではなく、非常勤で嘱託の産業医を行うというバイトもあります。「産業医って仕事に興味はあるけど、いきなり常勤では…」というドクターだったり、「せっかく時間やお金をかけて認定産業医の資格をとったんだから、もとをとりたい」といったドクターもいたりと、「非常勤での嘱託産業医バイト」にご興味を持っている方はいらっしゃるようです。
そんな中、「ぶっちゃけどんな仕事をやるの?」「時給は?」といった質問をされることがありますので、今回の記事では、勤務医の先生方向けに、その点についてお答えしたいと思います。
嘱託産業医バイトでの業務内容
嘱託産業医バイトでの業務を大まかに言いますと、
・職場巡視
・安全衛生委員会への出席
・面談業務(長時間勤務者、メンタル不調者、高ストレス者でなおかつ面談希望者などが対象)
・健診判定業務(就業可能かどうかを判定し、必要があれば受診勧奨を実施する)
といったものがあります。ですが、たいていは「職場巡視・安全衛生委員会への出席」で業務終了ということが大半だと思います。
なお、面談業務の報酬については、基本的に時給で算定される場合がほとんどだと思います(面談をして、普段より1時間長く業務をしたら+1時間分の時給など)。
また、4月10月に健診を行うところが多く、「健診の結果が返ってきたころ」に健診判定業務を依頼されることもあると思います。受診勧奨をした場合は、その二次健診の結果をチェックする仕事もあります。
嘱託産業医の業務の実際
やはりバイトを始める上で、経験がないと不安に思って「ちょっとなぁ…」と二の足を踏んでしまうのが、面談業務ではないでしょうか。
特に精神科医でありませんと、「メンタル不調?よくわからん…」となってしまうと思います。しかしながら、私自身も元内科医ですし、ある程度の慣れが必要ではありますが、外来診療などがこなせていれば、十分対応可能だと思います。
まずは以下の点について聴取
・どんな症状なのか
・どのような経過なのか、
・どのようなストレス要因があるのか
・受診をすでにしているのか否か、受診していたらどのような治療をしているのか、主治医は就業継続についてどのような見解なのか
↓
・メンタル不調者の場合は、休職が必要か否かを話し合う。もしくは、すでに休職している場合は、主治医の復職許可をもとに復職可能かどうか、就業制限が必要かどうかについて判断する。
↓
・上司や人事労務担当者に、フィードバック可能な部分については報告し、今後の対応(就業制限の必要性、異動を希望しているならそのこと)について話し合う。
といった流れを踏まえておけばよろしいのではないかと思われます。
長時間勤務者面談については、基本的に「問診票や意見書」などがすでに用意されている場合が多く、その意見書を埋めていく形で話を聞くといったことでも対応可能ではないかと思われます。
また、ざっくり言ってしまえば、
・どのようなことが原因で残業が増えてしまっているのか、その業務は今後どうなりそうなのか、会社側が対応すべきことは何か。
・現在、気になる症状はなにか。持病・既往歴はないか。受診勧奨が必要か、就業制限が必要か否か。メンタル不調の兆候はないか。
といったことを聴取・判断して意見書にまとめるといったことをすると思っていただければと思います。
また、こうした面談はほとんどの企業では「あまりない、あってもたまに」というのが実情で、「毎回、面談が山のようにあって大変」というところは少数ではないかと思われます。
時給・報酬について
嘱託産業医の報酬としては、他の医師のバイトと同様、「時給1万円」といったところが多いように思います。
ただ、職場巡視や安全衛生委員会のため、月1回の訪問で「1回2万円」といった形で報酬が決まっているところが多いように思います。それこそ、「30分滞在して2万円」ということもありますが、「今日は面談2件お願いします」「今日は健診判定お願いします」とお願いされることもあり、平均的に言えば、「時給1万円」ぐらいになるのではないか、と思われます。
嘱託産業医を行う上での注意点
以前はそれこそ「開業医の名義貸し」といった側面があり、「産業医が事業所へ一度も顔を出さない」なんてこともありました。しかしながら、時代は変わり、「せっかくならしっかり産業医業務をやってくれるドクターを雇いたい」という意識に企業も変わりつつあります。
ですので、あまりにおざなりな対応をしていたり、「相談に乗ってくれようとしない、やる気がない」なんてことが続くと、「来月からは来なくていいですよ」と簡単にクビになってしまうこともあるかもしれません。
せっかくバイトを始めたのなら、そのような憂き目に遭いたくはないでしょうから、ぜひ「時給分はしっかりお勤めを果たす」ことを心がけていただければと思います。

工場だったりすると朝礼があったりしますので、そこに顔を出す、挨拶をしっかりと行う、安全衛生委員会で積極的に発言をする、面談後にしっかり企業側へフィードバックを行う…なんてことを行っているとポイントは高いと思います。
産業医の仕事の面白いところは、「社会科見学的な要素」で知らない世界を垣間見えたり、あるいはちょっと遠出した場所に行って出張気分(中には、温泉施設の産業医なんていうのもあります)を味わえるところにあったりすると思います。もしご興味がありましたら、
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