医師の人材紹介会社で、「ウチは非公開求人がこれだけあるんですよ」と謳っている場合があります。それは、ネットで公表している求人だけでなく、「公開していない求人もあるので、ぜひ登録して相談してね」ということの「誘い文句になっている」のだと思います。
では、なぜ「非公開」になっているのかと言いますと、大まかに言って次のような3つのパターンがあるそうです。
病院・クリニック側の理由で公表できない
病院・クリニック側が、「公開して求人を募集したくない」と希望した場合、当然のことながら「非公開求人」となります。
たとえば、「なかなか求人を募集しているのに集まらない…そのことを周りに知られたくないが、なんとかドクターを採用したい」といったケースでは、非公開求人になる可能性があります。
この点は、病院・クリニック側の事情ということもありますので、その背景は様々なことがあるのだと思いますが、その人材紹介会社に登録している医師には普通に教えてもらえる求人ですので、あまり非公開かどうかというのは関係ないことのように思います。
特定の科や診療部門の強化を行うため、通常よりも好条件となっているケース
総合病院などで、ある特定の科を強化したいため、優秀な人材を厚めに確保したいといった場合、通常よりも好条件となっている場合があります。
その時は、ネット上などには公表しない「非公開」とされることがあります。これはおそらく、すでに勤務しているドクターと待遇で差が出てしまうこともあり、「公表してそのことが分かってしまうのはマズイ」ということもあるのではないでしょうか。
そのため、この場合は「非公開で募集したい」と病院側が依頼することもあるということでしょう。ただ、これは特定の科や診療部門のことであり、合致しているかどうかにもかかってきます。
大幅な条件の交渉などが可能なケース
たとえばクリニックで「往診の診療を拡充するため、医師を増員したい」といったケースがあり、「子供がまだ小さくて、週4の時短勤務でお願いしたい」「週3だけ働きたい」といった要望に答えて、ある程度はフレキシブルに勤務形態を変えられるとします。
その場合、希望報酬も応募した医師との相談の上で決めることができ、「交渉」が重要であると言えると思います。こういったケースでは、あえて募集条件などをオープンにするよりは、非公開求人とした方が交渉もスムーズにいくことが考えられ、「非公開求人」とすることもあります。
以上です。
上記のようなことが考えられ、「特定の科や診療部門の強化を行うため、通常よりも好条件となっているケース」を除いては、破格な条件になっていることはあまりないと思われます。
ですので、「非公開求人」というフレーズに釣られて、あちこちの人材紹介会社に登録しがちですが、それよりもリクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリアといった信頼のおける転職エージェントに登録・相談した方がいいと私としては思います。