常勤産業医の採用は、「書類審査→1次面接→2次面接」というプロセスを経て行われます。つまり内定を得るためには、「2次面接まで残り、最後の1人になる」まで勝ち残る必要があるわけです。
内定が得られず、次々に落ちてしまう…ということもあります。実際、私も「2次面接まで残って落とされる」ということは何度も経験しています。
特に3回目の転職ではなかなか内定を得られず、大変な思いをしました。転職活動に慣れていたとしても、こういうことは起こりうるわけです。
では、その時にどうすべきかということですが、以下のようなことを試してみてはいかがでしょうか。
「なぜ落とされるのか」の分析
そもそも採用面接で「なぜ落とされるのか」ということですが、端的に言えば「企業側の求める産業医像に合致しない」ということになるわけです。
「求める産業医像」かどうかは、以下のような点でチェックされることが多いと思われます。
・既に勤務している産業医、保健師、人事労務担当者と上手くやっていけるか。
・知識、実務能力、経験が十分か(育成を行うことを前提で、未経験採用もあり)。
・コミュニケーションがしっかりとれるか、一緒に働きたくなる人柄か。
このようなチェックポイントの中で、特に「既に働いているスタッフと協調して働くことができるのか」ということは特に重視されます。
実際、産業医の採用担当に話を聞いたことがありましたが、「今いるスタッフの年齢(あまりに離れすぎていないか、統括産業医が年下にならないか)、性別(産業医、保健師で男性・女性の比率が偏り過ぎていないか)などをしっかり配慮して採用を考える」とのことでした。
ですので、自分の知識・スキル・経験などをアピールしたいがあまり、協調性やコミュニケーション能力に乏しいといった印象になっていないかなど、ぜひ一度、今までの面接を振り返って考えてみてはいかがでしょうか。
希望条件の見直し/求人の選択の幅を狭めすぎない
産業医未経験、あるいはあまり経験値もないのについつい好条件の求人ばかりに応募してしまい、いわゆる「高望み」の状態になっていないかを見直すことも重要です。
特に産業医未経験の場合、応募できる求人の幅も狭まる(経験者のみを募集する求人もあります)傾向にあり、ある程度の妥協が必要ということもあります。
ただ、それも「経験を積んで転職をする」ことで希望条件に近づくことはできると思います。ですので、未経験、あるいは経験が浅い状態ではあまり高望みをせず、できるだけ経験豊富な先輩産業医と働いて「知識・経験を得る」ことを優先させるようにした方がよろしいかと思われます。
産業医未経験の場合、産業医が複数名いる企業の方が教育・指導体制がしっかりしており、かつ内定がもらえる確率は上がると思います。
また、同様に「求人の選択の幅を狭めすぎない」ことも重要です。やはり求人数が多いのは東京であり、最初から「都内へ通勤するのはなし」と考えてしまいますと、一気に選択の幅が狭まってしまいます。できるだけ求人数の多い地域を含めることもぜひご検討ください。
「二次面接」に特化した面接対策を
「一次は通るけど、二次で落とされる」ことが続いた場合、やはり「二次面接対策」を重点的に行うことは必要です。
では、「二次面接対策」とはどのように行うのかということですが、具体的には
・一次面接で、「企業の求める産業医像」がどのようなものかを把握し、その産業医像にどのように自分は近いかアピールする。
・一次面接で企業側からの説明を踏まえ、その企業がどのような課題を抱えているか把握し、「自分が入社したら、どのように課題解決を図っていくのか」を提示する。
ということが挙げられます。詳しくは、
これらの記事にまとめておりますので、ぜひご参照下さい。
要は、一次面接での質疑応答の内容を踏まえ、二次面接に活かすということです。そのため、私は一次面接が終了したら、どのような質問や企業側から説明があったかをすぐメモするようにしています。
一次面接で「弊社は高齢社員が多く、生活習慣病を持病としている人が多い」「弊社はメンタル疾患で休職する社員が多い」といった説明がある場合があります(もし説明がなければ、自分から質問します)。その説明を踏まえ、二次面接ではどのように課題解決を図っていくか、アプローチしていくかという説明を行うというわけです。
このように、「一次面接を上手く活用して二次面接でアピールする」というテクニックはぜひ利用してみていただきたいと思います。
また、人材紹介会社の転職エージェントは、産業医を募集している企業と何度となくやりとりしているわけで、「理想とする産業医像」などについても把握しています。ですので、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどに登録し、求人を紹介してもらいつつ、あらかじめ質問しておくことも面接対策になると思います。もちろん医師側は無料ですのでご安心を。
なお、「どの人材紹介会社を選んだらいいか分からない」「色々あって迷ってしまう」ということでしたら、
こちらの記事をまずはご参照いただければと思います。