10月から始めよう!労働衛生コンサルタント口述試験の対策の仕方について【2013年度版】

労働衛生コンサルタント試験の口述試験は、例年大阪は1月中旬の2日間、東京は1月末~2月初旬の3日間となっています。では、口述試験の対策として、いつから勉強を始めるべきなのでしょうか。

1月は今までやってきた勉強の総復習時期に当てたいところです。となりますと、12月までに全範囲を終えておく必要があります。このような逆算を行っておきますと、10月から勉強をスタートすると、十分余裕があると思います。

特に、産業医の実務がない方ですと、用語に馴染みがなく「3管理ってなによ?」「リスクアセスメントってなに?」「許容濃度、管理濃度…なにそれ?」という状態なのではないでしょうか。そうしますと、より時間がかかってしまうため、10月に勉強をスタートさせておく必要があると思います。

では、具体的にどのような勉強をすべきなのかと言いますと、以下のようなことになると思います。

用意すべきテキスト

労働衛生コンサルタント口述試験のテキストとしては、以下のようなものがあります。最低限、この2つは用意しておきましょう。

労働衛生のしおり (令和5年度)

まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集

『労働衛生のしおり』は、まさに教科書です。押さえておくべきポイントが網羅されており、こちらの内容をしっかりと理解できていれば、十分に合格することができる内容となっています。

労働衛生コンサルタント試験を受ける上で、『労働衛生のしおり』を持っていないというのは考えられません。ちなみに、労働衛生コンサルタントになって、日本労働安全衛生コンサルタント会に所属していますと、毎年最新版が送られてきます。

『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』は、口述試験で頻出の問題をまとめた問題集となっています。こちらの問題をほとんど解答することができれば、かなり合格は近いと思います。手前味噌ですが、こちらは私は出版している電子書籍になっております。

第一段階「通読」

まずは、『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』を通読してみましょう。ですが、馴染みのない用語が多いという方がほとんどでしょうから、理解しづらい部分については、該当する『労働衛生のしおり』を読んで理解しましょう。

このようにして、まずは「とりあえず一回読んでみよう」と思っていただければと思います。この通読によって、「どんなことが問われる試験なのか」ということの大枠が分かってくると思います。

問題集の理解のため、『労働衛生のしおり』を虫食い的に読んでいる段階になったら、今度は『労働衛生のしおり』を一度通読してみましょう。なぜいきなり『労働衛生のしおり』を読まないのかと言いますと、学習の浅い段階ですと、『労働衛生のしおり』を通読しようとすると、「どこがポイントであるのか分かりづらく、挫折しやすい」からです。

その点、問題集を先にすると、「あ、こういう問題が出てるってことは、ここがポイントなのか」と分かると思います。つまりは、ポイントを掴んでから、『労働衛生のしおり』を通読して理解を深める、という方が進めやすいと思います。

第二段階「予想問題集の作成」

『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』と『労働衛生のしおり』を通読した段階で、次はまた『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』に戻ります。

2回目では、答えや解説を参考にして、「このような内容だったら答えられる」という内容で問題に対する回答をまとめてみましょう。

この作業は、「予想問題集を自分で作っていく」ものであり、まずはこの問題集に掲載されている問題すべてについて、自分なりの回答を作っていくことになります。この作業の注意点としては、

・できるだけ短く、ポイントを箇条書きにしていく(だらだらと長い文章にしない)。
・コピペせず、自分でまとめる(コピペだと、ついつい長くなってしまう)。
・情報は詰め込みすぎないように注意する(覚えきれない)。

ということがあります。『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』の問題をまとめきったら、次は『労働衛生のしおり』の2周目に入っていきます。そこで、「これは出題されそうだ」と思った部分を問題にして、自分でまた「予想問題集」に追加していきます。

『労働衛生のしおり』のまとめが終わったら、次は

全国労働衛生週間実施要綱
第14次労働災害防止計画
筆記試験の記述問題

を参考にして、予想問題集に問題・解答例を追加していきましょう。

こうして作った予想問題集をWordなどで書いておき、そのファイルをGoogleドライブやOneDriveなどのオンラインストレージに置いておき、通勤時間などのスキマ時間に見て復習しておくと、覚えやすくなります。

第三段階「耳慣らし」

口述試験の筆記試験と大きく異なる点は、当たり前ながら「耳で質問を聞いて、口頭で答える」という点です。これに慣れるために、予想問題集で作った問題を、自分で読み上げてスマホのボイスレコーダーなどで録音して聞き、それに答える、という練習をしてみましょう。

12月末までに、予想問題集を作り上げ、さらにこのボイスレコーダーに録音する作業を完了させておき、1月は予想問題集の復習、聞いた問題に口頭で答える練習のみを繰り返していくのが理想です。

以上です。
基本的には、「予想問題集」を作成し、完璧に自分で問題に口頭で答えられるようになることが勉強の中心となります。

より詳しい勉強法や、試験の実際などの情報につきましては、『一発合格!産業医のための労働衛生コンサルタント口述試験対策マニュアル』に記載しておりますので、ご参考にしていただければと思います。

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