私が勤務医から常勤産業医になって実感したプライベートでの「3つの大きな変化」

私は後期研修の途中でドロップアウトし、それから10年近く産業医として勤務しています。もはや、初期研修を含めて臨床医だった頃の経験年数を産業医の経験年数が超えており、「産業医になりたての頃はどんなだっけかなぁ…」という状態ではあります。

しかしながら最近、同期のバリバリと勤務医を続けている友人と話をする機会があり、「ああ、産業医になりたての頃はあんなことを思っていたなぁ」と思った次第です。

産業医になると、「QOMLは格段に向上する」ということはよく言われているとは思いますが、その内容、実情はどのようなものなのかということにフォーカスを当てて、今回はお伝えしたいと思います。

オンオフがはっきり

産業医の求人を見ていますと、そこに添えられた文言で「オンオフがはっきりとして、メリハリのある働き方」といったものがあります。これは、「残業もほとんどなく、土日祝日は完全なオフ。オンコールや時間外の問い合わせや呼び出しもありません」という意味であると解釈できます。

産業医になった当初、私自身「枕を高くして眠る」ということはこういうことなのだとはっきり思ったのを覚えています。

また、状態が落ち着かない患者さんを担当して、ハラハラしながら帰ることもなければ、土日に家族と出かけて「電話かかってこないかな…」と気にする必要もありません。

呼び出される前に、とランチをかき込むこともなくなりました。映画館に行って、罪悪感を感じつつ電源をオフにしたり、マナーモードでかかってくることを心配する必要もありません。

まさしく時間外は「オフ」であり、仕事をする必要がありません。これが私にとって、勤務医から産業医になって一番大きな変化であるように思います。この変化のおかげで、イライラしたりすることもほとんどなくなりました。

仕事に対する認識の変化

あとは、「仕事は辛いもの、憂鬱なもの」という認識も変わりました。勤務医の頃、日曜が終わり、月曜になる時は絶望的なほど憂鬱でした。

「朝を迎えたくない」と、眠ってしまうことを避けるように延々とオンラインゲームに没頭し、寝不足で9時ギリギリに出勤していたものですが、今は「ああ、ゆっくり休めた。明日から仕事だ」とまるでスイッチをオンオフする感覚で月曜を迎えることができています。

もちろん、産業医と一言で言っても、重責を背負っておられる方もおられて、「冗談じゃない。自分はもっと大変な仕事をしている」という場合もあるでしょうが、私の場合は自分のペースで、好きな仕事ができているという実感があります。

「仕事は憂鬱なもの」というのは私の場合、大きく変わりました。「そんなことを望んでいないよ。憂鬱なぐらいがいい」という方もおられるかもしれませんが、私の場合は楽しく余裕を持って働けている現在の方が好ましいと思っています。

生活の潤いを実感

最後にもう一つ大きな違いを挙げれば、「生活の潤い」を実感できているように思います。以前は、旅行などでもせかせかと楽しみなことを「一気に消費」するかのような状態でしたが、今はじっくりと一つ一つのことを楽しめているように思います。

休日に予定を詰め込み、焦って行動するなんてこともなくなり、妻とゆっくり朝食をとりながら「さて、今日はどうしようかね」と話し合ってから出かけるなんてこともできるようになりました。

勤務医が産業医になると、「QOMLが格段に向上する」という方もおられますが、私の場合はまさにそれであり、「仕事は仕事、プライベートはプライベート」と切り分けを望み、プライベートの時間は邪魔立てされたくないという希望は叶えられたと思っています。

また、「そんな生活、ヒマじゃないの?」とおっしゃる方もおられますが、そうした場合はバイトを増やすことで調整はできると思います。私の場合は、内科外来+自宅でのオンライン診療でちょうど良いと感じています。

以上です。
なお、私の場合は基本、一社専属の常勤産業医ですので、またバリバリと何社も掛け持ちする嘱託産業医のドクターとも働き方は違うと思います。私はゆるやかに、ある程度安定して働ける常勤産業医の方が性に合っているように思います。

もちろん、上記は産業医のメリットとも言える部分であり、物事にはメリットとともにデメリットがあり、当然、産業医になることでのデメリットもあります。

勤務医が産業医に転職する「メリット」と「デメリット」とは
産業医をやっておりますと、勤務医の友人からは「残業もなく定時で帰れるんでしょ?」「当直やオンコールもないし、土日祝日も休める。最高じゃない」と、若干の皮肉まじりに言われることもあったりします。 たしかにそうしたメリットは享受できている...

もしこうしたことを理解し、その上で「産業医の仕事に興味がある、なってみたい」ということでしたら、ぜひ転職をご検討いただければと思います。その足がかりとして、まずは リクルートドクターズキャリア[PR]の転職エージェントに相談して求人紹介を受けてみてはいかがでしょうか。

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