専攻医をドロップアウト後、産業医へ転職して「後悔しない」ための5つのポイント

転職は、「失敗したらどうしよう…」「入職した後に後悔したらどうしよう…」といったためらいや不安との戦いでもあったりします。

その上、私自身は後期研修をドロップアウトした身であり、「専門医資格も取得できていないのに、経験的にもまだまだ乏しい私が転職して大丈夫なのだろうか…」という思いを抱えて産業医へと転職しました。

もし現在、専攻医をドロップアウトしようとしている、もしくは既にしてしまった方で、「もう臨床医はいい。産業医に転職だ!」と思われている方がおられるようでしたら、ぜひお伝えしたいことが5つあります。

臨床医は「どれぐらい」やりたいですか?

私は後期研修を辞めた時、「もう臨床は懲り懲りだ。二度と病院へは戻りたくない」と思っていましたが、それでも離れてみると、「バイトぐらいだったら、ちょっと臨床やりたいかも」と思い始めました。

それもあり、「週4日は産業医、週1日は内科の非常勤バイト」という生活を始めました。これがどうやら私にとって良いバランスだったようで、産業医として働きつつ、1日は臨床医に戻るという生活を続けていました。

こうした「比率」の問題でもあると思うのですが、やはり臨床医を続けたいという希望が強く残っておられる方でしたら、無理せず臨床医を選択することをお勧めします。

基準としては、ハードワークで多忙な日々から一度離脱して、そこで「どの程度臨床医をやりたいのか?」ということだと思います。

産業医講習会で興味が持てました?

産業医という仕事に「興味が持てるか否か」というところは重要だと思います。臨床の世界とはまるっきり異なる分野に飛び込むわけであり、全く興味が持てないのでは、いくら仕事だと言っても苦痛でしかないと思います。

そこで一つの基準としてですが、認定産業医の資格を取得する上で受講した講習会の内容、おおむね興味を持って聞くことができましたでしょうか。

中には「単位のために受講はしていたが、右から左だった」「飽きてしまって、こそこそとスマホばかり見ていた」といったことですと、産業医になってからも「全然興味が持てない…」ということになってしまう可能性があると思います。

逆に、興味を持って聞くことができた、ということであれば、産業医になってからも楽しく仕事ができるのではないか、と思います。この点はやはり人それぞれ興味関心のある分野が異なりますので、はっきり分かれてくるのではないでしょうか。

ただ、だからといって産業医の仕事が「特殊な専門職」とは言いません。慣れやコツをつかめば、大多数の先生方が問題なくこなせると思います。

産業医になるデメリットも理解しておく

産業医の雇用形態としてですが、求人票を見てもらえば分かりますが、「1年ごとに契約更新が必要」となるところがほとんどだったりします。

つまりは、あまり働きぶりが芳しくない場合は「来年度は契約更新しませんよ」なんてこともあるわけです。実際、私も一社目はこのパターンで契約打ち切りとなってしまいました。常勤の勤務医のドクターと比べれば、こうした点は不安定な雇用形態と言えるのではないでしょうか。

また、企業によって社会保障・福利厚生はまちまちで、勤務日数・時間によっては「先生は健保には入れません。国民健康保険に入ってください」と言われることもあったり、「交通費は年俸に含んで支払いはしません」「学会に行きたいなら、有給使って自費でどうぞ」なんてこともあったりします。

この点も、あくまで企業にはよりますが、勤務医時代からすると「あれ?ちょっと冷たくないかい」と思うこともあるかもしれません。ですので、雇用契約を結ぶ際にはしっかりとチェックをしておくことが重要です。

人当たりの良さ・協調性・コミュニケーションの重要性

語弊を招く言い方にはなってしまいますが、勤務医でありますと、ある程度は感じが悪かろうが、協調性が悪かろうが、コミュニケーションが苦手であろうが、「医師だから」ということで大目に見てもらえる部分があると思います。

ですが、企業で産業医として働くということになりますと、人事労務担当者や保健師、関係各所の社員さんたちに対しての接し方で、「人当たりの良さ・協調性・コミュニケーション」が重要になってきます。

専攻医をドロップアウトした原因が対人関係で、「上記のようなことが苦手で…」ということですと苦労することになるかもしれません。

かくいう私も協調性がなく、コミュニケーションで苦労していました。ですが、それも年齢を重ね、自ら変わろうとして少しずつ改善しています。

転職は、働き方における「条件の見直し」

転職において、希望条件などを全て叶えるということはなかなか難しいと思います。ですが、「年収は今までより少し下がっても、多忙すぎる日々を少しゆるやかに働くようにする」「年収は横ばい。外来のコマ数は増えてもいいから、当直回数やオンコール回数を減らしたい」といったことは叶えることはできると思います。

そんな中、産業医の転職としては「臨床から離れることにはなる。勤務医時代に比べて年収ダウンはあるかもしれないが、当直・オンコール・時間外の問い合わせや呼び出しなし、土日祝日は完全休みとこの上なくQOML良好」といった、働き方における「条件の見直し」となると思います。

補足ですが、年収面については、バイトをある程度入れて勤務医時代と同程度にすることは難しくないと思います。

上記の5つのポイントを踏まえて上で、「産業医、やってみようかな」と思えるようでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアに登録し、転職エージェントに求人を紹介してもらってはいかがでしょうか。

また、首都圏での求人に強みがあるというマイナビDOCTORも、都内近郊で産業医転職をとお考えでしたら、ご登録の上、求人紹介をしていただいてはいかがでしょうか。

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