私自身も、産業医になって3回も転職をしていますし、しかもそれぞれの企業を2~3年という短期間で退職しています。現在の3社目でようやく自分に合った企業に巡り会えて、5年近く勤務しているのはこちらが初めてです。
入職して間もなくで「うわ、これは自分に合わないなぁ」という企業ももちろん経験しています。なんとか3年近くは勤めて自分なりには頑張っていたつもりですが、それでも次に転職活動をした際、採用面接で「短い期間での転職回数が多いようですが…」と言われました。
企業側にとって、こうした「短い期間で転職を繰り返している」応募者はやはり「できるなら避けたい」と思う傾向にあります。
企業が「転職を繰り返す」応募者を避けたい理由
その理由としては、まずは「一箇所に定着が難しく、たとえ入職したとしてもすぐ辞めてしまうのでは」と思うことが挙げられます。
新たな入職者を探して雇う、ということもまた、企業にとってはコストです。時間だけでなく、求人紹介を受けるための費用、採用に携わる社員の給与といったお金もかかります。「できるだけ長く勤務してくれる産業医を雇いたい」と考えるのが一般的であると思います。
このあたり、求人票で「長年勤務していただける方」と希望条件をストレートに記載する企業もあったりします。こうした企業では、やはり転職を繰り返していますと、「分が悪い」わけです。
「短期間で繰り返し転職」する応募者に企業が思うこと
次の理由としては、やはり「短期間で繰り返し転職」をしている場合、その応募者自体になんらかの問題があるのでは、ということも考えるのだと思います。業務遂行能力の問題よりも、やはり対人関係に問題を抱えるタイプではないか、と思われる可能性が高いのではないでしょうか。
特に、中途採用の場合は「今の環境に上手く適応して、良好な人間関係を築いてくれるか」というポイントで、採用について評価・判断される部分も大きいです。もしも上手く適応できず、人間関係が上手く築けないということになりますと、それはその採用した人物だけの問題ではなく、その職場全体の問題となりかねません。
それは避けたいということを企業側も考えるわけで、「短期間で転職を繰り返している」場合、転職活動で「この人物、何か問題があるのでは?」と勘ぐられて不利になる可能性が高いです。
最初の1~2社では問題視されなかったとしても、それ以降では厳しい目を向けられる可能性があるので、その点は注意しておいた方がよろしいかと思います。
もちろん、臨床医であろうが産業医であろうが、短期間での繰り返す転職をしていますと、同様のことを思われるかもしれませんが、倍率や採用面接の比重が高い産業医ですと、こうしたデメリットはより大きいと考えられます。
「バイト選び」にも影響する可能性
産業医として転職する際に、履歴書を見て難色を示されるのなら分かりますが、実は臨床バイトに応募した際にも、転職回数・理由について説明を求められたことがあります。
内科外来の非常勤ドクターを応募していた病院でしたが、採用面接の際に質問してこられたので「あ、ここでも聞くのね」と思った記憶があります。やはり「産業医って変わった経歴だし、しかも繰り返し転職している…何かあるのかな」と思われたのだろうと思います。
こんな影響もあるのだ、という事例の一つとしてご参考にしていただければと思いますが、常勤だろうが、非常勤だろうが採用面接に履歴書はついて回るものですので、その点はご留意いただければと思います。
以上です。
ただ、履歴書は変えられないですし、あえて記載しない、もしくは改ざんするのはアウトです。そのあたり、質問があるものだという前提で、採用面接対策をしっかりした上で臨んだ方がいいと思います。
私はいつも、エムスリーキャリア、リクルートドクターズキャリア[PR]に求人紹介を受けて、しっかりと事前に転職エージェントと事前打ち合わせをした上で採用面接に臨むようにしております。
もし採用面接で「突かれるかも…」とお思いでしたら、転職エージェントに事前打ち合わせをすることをおすすめしたいと思います。