「転職を繰り返してしまう医師」から脱却するための3つのポイント

「1年未満での転職を3回繰り返している」といった転職を繰り返している医師に対して、やはり採用担当者は「協調性がないんじゃ…」「やる気ないんじゃないの?」「忍耐力がない」などと否定的なイメージを感じてしまいます。

ですので、「最低でも1年、できれば3年は少なくとも同じところで勤務する」ということが重要ではありますが、なかなかそれができない、という方もおられます。私が外来バイトで勤務している病院も悪い意味で新陳代謝が激しく、「内科医が1年で続々と辞めている」という状況が続いていました。

ただ、私も他人のことは言えず、産業医として勤務していた企業を1社目2年→3社目3年弱で辞めてしまっています。その経験や反省、加えて産業医として思うことについて今回の記事では書いてみたいと思います。

「最初の印象」の重要性

人に対する印象は、やはり「最初が肝心」となります。最初のイメージが固まってしまいますと、そこからそのイメージを変えるのにはとても大変です。

当然ながら、好印象からスタートした方が働きやすいに決まってますよね。では、その最初にイメージをどう好印象にするのか、ということですが、

・挨拶は自分から、明るくはっきりとした声で行う。

・できるだけ清潔感のあるきっちりとした服装を心がける、無精髭もNG。

・積極的に「自己開示」(自分はこういう人なんですよ、とプライベートや家族などについて開示する)を心がけてコミュニケーションを自らとろうとする。

といったことを心がけるだけでも大分、印象は変わります。最初の1ヶ月は自分勝手にすることをできるだけ控えて、「好印象でのスタート」を切れるようにしましょう。

周囲の「評価を下げてしまう」ことを避ける

医師が「評価を下げてしまう」場面というのは以下のようなものであり、それを避けるだけでもかなり働く環境としてはよくなると思います。

・病棟からの問い合わせや指示確認、救急要請への対応、薬剤部からの疑義照会などで明らかに不機嫌そうな態度や話し方になる。上から目線での対応はNG。

・同僚や他科のドクター、コメディカルへの陰口や批判は絶対NG。そうした悪口は、耳に入りやすいものです。

・患者さんやコメディカルへ面倒くさそうに対応する、都合が悪くなると逆ギレする。

などは、もしやってしまっていたらしないように心がけましょう。これも最初の1ヶ月がとても大事ですよ。

「合せてもらう」のではなく「自分から合わせる」

中途入社の社員に何が求められているかと言いますと、「今いるスタッフや、配属される職場の環境に自ら溶け込んでくれる人材かどうか」ということです。これは医師も同様で、「スタッフや環境に自ら溶け込み、パフォーマンスを発揮する」ことが望まれています。

「前の職場ではこうだった」「これはこうあるべき」といったことを大上段から振りかざしたりする人が嫌われるのは、「そんなの知らんがな。アンタの方がこっちの環境に合わせろや」と反感を買うからです。

ですので、「合せてもらう」という姿勢ではなく、「自分から合わせる」ことを心がけて、上司や同僚、スタッフに敬意を払って接することを心がけたいところですね。

どれもこれも、私が後期研修医や駆け出し産業医の時代にできていなかったことです。心がけることができていたなら、また結果も変わっていたと思います。過去の私に聞かせてやりたいです。

以上です。
上記のようなことができていませんと、転職したとしてもまた繰り返してしまう可能性が高いと思います。ですので、心当たりがありましたら参考にしていただけますと幸いです。

また、それにプラスαとして、「自分の特性(得意なこと、苦手なこと)を分析して、働きやすい環境、条件を考える」ということも重要です。ただ、なかなか自分のことというのは見えない、分からないものですので、ぜひリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談して、「こんな求人ありますよ」と提案してもらってはいかがでしょうか。

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