産業医として面談をしていると、「ぜひこの人の力になってあげたい」と思う社員さんもいれば、「ちょっと…その考えはどうなのよ」と思ってしまう社員さんもいます。
では、その違いは何なのかと言いますと、やはり面談での話によるのかな、と思います。社員さんの中には、産業医が「敵にしか思えない」という方もおられるかもしれませんが、産業医としての言い分というものもあります。
そこで今回は、産業医が社員さんにとって「敵になるか、味方になるか」という、どうしてそのような違いが出てくるのかについて書いてみたいと思います。
自責的/他責的
社員さんによって、「私が悪いんですけども…」と自責的に話をする方もおられれば、「上司が悪い」「会社が悪い」と他責的な方もおられます。
では、このどちらの方に産業医として肩入れしたくなるかと言いますと、やはり自責的な方になると思います。「なんでもかんでも他人のせいにしてしまう」というのは、やはり「それはあなたも改めた方がよくないですか?」と思われやすいので、面談の場でいきなり不平・不満を言いまくるのはあまりオススメできません。
自己判断には要注意
社員さんの中には、「1ヶ月休みたいんですけど。意見書を書いてもらえませんか?」などという方もおられるようです。ただ、産業医の中には、「休みが必要かどうかは私が判断することだよ」とイラッとする方もおられますので、避けた方がいいです。
その場合には、どんな症状があり、どのようなストレスの要因があるかなどをしっかりと相談した上で、「疲れてしまって、しばらくお休みをしたいと考えているんですが、いかがでしょうか?」と切り出した方がいいと思っております。
また、自分の都合ばかりを優先させて上司や同僚らを困らせてしまうような言動が多かったりしますと、その点もやはり「なんだこの人」と産業医の反感を買ってしまうこともありますので、ご注意いただいた方がいいと思います。
勝手な解釈や自己中心的な考え方はNG
産業医の意見や発言を勝手に解釈してしまったり、自分の都合のいいように考えてしまい、それを上司に伝えてしまうような方もおられます。
そうしたことをしますと、上司・人事も混乱しますし、産業医としては「この人、要注意だな」と思って、接点を減らして避けたくなってしまいます。
故意ではないかもしれませんが、もし産業医の指示が不明瞭であると感じたならば、自分で勝手に解釈してしまう前に、産業医に確認をしっかりととっていただく方がトラブルにならずに済むと思います。
以上です。
産業医と社員の関係においても、信頼感は重要です。面談の際には、上記のようなポイントにぜひご注意いただければと思います。