最近では、発達障害のことがテレビ番組等でも報じられるようになり、認識はされるようになってきたのではないでしょうか。それにともない、受診して「発達障害と診断された」というケースも増えてきていると思われます。
その一方で、社員が「発達障害と診断された」として、その後、どうすべきかという問題が残っています。認識されつつあるということとは別に、「会社として、どう対処すべきか」という問題は未だ残されたままです。
そこで今回、雑誌『週刊 日本医事新報』に、「職場における発達障害者への対応と支援」という記事を拝読したのですが、そこに職場における「合理的配慮」というキーワードで解決策が一つ提示されておりました。
合理的配慮とは、「障害のある人の人権が、障害のない人々と同じように保障されるとともに、教育や就業、その他、社会生活において平等に参加できるよう、それぞれの障害特性に合わせて行われる配慮」のことだそうです。
その配慮を行う上で、以下のようなポイントで判断してみてはどうか、と上記記事
には掲載されていました。
1) 事業活動への影響の程度
2) 実現困難度
3) 費用・負担の程度
4) 企業の規模
5) 企業の財務状況
6) 公的支援の有無
の6点です。発達障害において、特に関わりが大きいのは、上司・同僚でしょう。上司・同僚の負担を考慮し、その上で「本人が特性上、できないことは求めず、できる工夫を促す」という方針で考えていくということでしょうか。
ですが、その上でなお勤務困難ということであれば、異動などを検討していかねばならないでしょうね。
なお、「発達障害の確定診断がついたら、障害者雇用に切り替わるのか?」と疑問に思われる方も多いようですが、上記記事のQ&Aには「確定診断のみで切り替わるのは一般的ではない」「前提として主治医の診断をもとにした障害者手帳の取得が必要」とのことです。
切り替えにあたっては、雇用形態、賃金体系などを本人・家族が理解した上で切り替えるべき、とのことでした。