産業医の重要な業務として、社員さんとの面談があります。具体的には、休職していた社員さんの復職可否を判定する面談、復職後のフォローアップを目的とした面談、長時間勤務者の面談、ストレスチェックで高ストレスと判断された方の面談などがあります。
こうした面談の中で、「この産業医、信用できないな」「相談してもムダだな」と思われてしまうこともあり、そうなってしまうと面談に来られても上っ面な返答ばかりで、相談に乗れない可能性もあります。
実際、以下の記事にも書きましたが、産業医に悪感情を抱くようなケースは少なからずあります。
そこで今回は、社員さんに「信用できない」「相談してもムダ」と思われてしまう産業医の3つの特徴について書いてみたいと思います。
共感してくれない
社員さんが辛い思いを吐露しても、「へぇ、そうですか…」と他人事のように受け流されてしまいますと、「ああ、この産業医には何を言ってもムダだな。この面談、時間のムダだな」と思われてしまいます。
やはりそこは「それはお辛いですね」「そうでしたか、そのような辛いことがありますか。大変でしたね」と、共感をしていますよ、と伝える必要があります。
特にこうした「共感」はメンタル症状・疾患で相談にこられた患者さんや、高ストレス者面談はとても重要になります。特にストレスの要因を聞き出す上で、傾聴・共感をセットにして話を聞くべきであると思われます。
この点、自分の「上司と折り合いが上手くいかなかった経験」「仕事がイヤになって転職した経験」などのエピソードがありますと、話を合わせやすいと思います。
怒り出す、説教しだす
社員さんは面談に「相談・助言を求めに」やってくるわけで、別に怒られることや、説教をしてもらいたくて面談に来られているわけではないです。
それなのにも関わらず、「だから君はダメなんだ」「仕事を甘く見てるんじゃないかね」などと怒ったり、説教をしてしまうと、社員さんはパタンと心の扉を閉めてしまいます。
産業医も人ですから、それは同じような話の繰り返しや、終わらない逡巡にイライラとすることもあるかもしれませんが、そこはグッとこらえて共感の姿勢を崩さず、決して怒ったり説教してしまってはダメだと思います。
小バカにしたような態度
「小バカにする」意識はなくても、「ヘラヘラ笑いながら話をする」「鼻で笑う」といったことをしてしまいますと、社員さんは「真剣に話を聞いてくれていない」と思ってしまいます。
たまに「ヘラヘラしてしまう」「鼻で笑ってしまう」ことを、照れからなのか、無意識にしてしまうクセの方がおられますが、そうした方はご注意されたほうがよろしいかと思います。
私も「先生、なんで話している時笑ってるんですか?」と指摘されたこともあり、それ以来、話をする時の表情にも注意しています。誤解されたら損ですものね。
以上です。
こうした社員さんによる「産業医の評判」、特に悪評は、すぐに広まってしまう可能性があります。「なかなか社員さんが面談に来ないなぁ」なんて時は注意した方がよろしいかと思います。あまり評判がよろしくないと、「契約打ち切り」なんてことにもなりかねませんから、やはり一つ一つの面談を大事にしていく必要がありますね(もちろん、自戒を込めてです)。
また、産業医として「役立たず」と思われないための注意すべきポイントと改善案を、
にまとめております。ご参考にしていただけますと幸いです。