産業医への転職は何歳までに行うべきか?-高齢になると常勤産業医への転職が厳しくなる3つの理由

私が後期研修医をドロップアウトして、産業医になるという話になった時、上司や両親からも「産業医は年とってからもできるだろ。今は臨床医として経験を積むべきだ」と言われました。

恐らく、身体的にも負荷がさほど高くないということを受けてのアドバイスだったと思いますが、改めて考えてみると果たして本当にそうなのか、と私としては思います。

実際、未経験の分野での転職ですと、医療業界でもハードルは高くなります。「60歳で勤務医を定年して、さて常勤産業医に」というのは果たしてできるのか、ということにもなってくると思います。

そこで今回は、高齢になると常勤産業医への転職が厳しくなる理由について書いてみたいと思います。

未経験+高齢での転職が困難になる理由

産業医未経験ということになりますと、「いきなり産業医一人…以上」という環境での業務ということになると、どのように仕事をしたらいいのか分からない、ということもあるのではないでしょうか。

では、「他に産業医が勤務しているところを」という話になるかもしれませんが、そうなると今度は、「統括産業医が年下」というようなことが問題となります。いわゆる「上司が年下」といったことになり、統括産業医が「それはやりづらいからNG」と、採用が見送られるということになるわけです。

採用側も、そうした「既に勤務している産業医や保健師」との関係を気にするので、やはり年齢自体がネックになるということは起こりうると思います。

年収が高い

平たく言ってしまえば、企業側の考えとしては、「産業医の年収=コスト」ということになります。

そうした観点で考えれば、年収が高くなりがちなベテランドクターと年収をある程度抑えられる若手ドクターだったら、どちらを雇うか、ということを考えれば、自明の理だと思います。

もちろん、「未経験なのでお安くしておきますよ」と医師側が申し出ても、他の産業との年収の兼ね合いもあり、そうたやすくは買い叩くのも難しいと思います。

採用コストの問題

こちらも企業側のコスト意識になってくると思いますが、産業医を雇うにもコストがかかります。その点、「一度雇ったら、長く働いて欲しい」という希望が企業側にはあります。

となりますと、「年齢が高い医師=勤続年数が短くなる」(「60歳で10年働くAドクターと、40歳で20年働くBドクターだったら、どちらを選ぶか?」という問題です)ということですので、それならば若手の医師を雇いたい、ということにもなると思います。

以上です。
中小企業の嘱託産業医になるということでしたら、「余生を送りながらゆったりバイト」ということも可能だと思いますが、常勤産業医ということで言えば話は別だと思います。

「臨床医を辞めて、これからは産業医だ」ということを決めたということでしたら、できれば40代の内に転職をしておくことをオススメします。もしこれから産業医への転職活動を開始されるということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに登録して、どのような求人があるか相談してみてはいかがでしょうか。

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