「社員へのリスペクト」を失った時点で産業医失格だと思う理由【産業医マニュアル】

メンタル疾患を患っておられる社員さんとの面談を行う中で、ついつい「なんでそんなことに悩んでるの」「それぐらいの仕事、わけもなくできるでしょ?」「仕事中、居眠りするなんて…」と思ってしまうこともあります。

特に上司や人事の話を聞いていて、ついついそちら側の意見にばかり寄ってしまいますと、「もう辞めたらいいのに」などと思ってしまったり、あるいは見下すような発言を面談中に行ってしまう可能性もあります。

当然のことながら、そのような態度や言動は産業医として好ましくないわけで、社員さんたちへのリスペクトはやはり忘れないようにしなくてはならないと私自身としても思っている次第です。

もちろん、「常に社員の側に立て」というわけではありません。社員さんの発言を鵜呑みにしてしまうのもまた危険であると思いますし、様々な視点から見るべきではあると思いますが、それでも社員さんの立場の尊重を行い、傾聴しようとすることは必要であると思っています。

というのも、社員さんの中には「どうせ産業医は会社の手先だろ」といった思いで面談に来られる方もいらっしゃいます。「話しても無駄だ」と思っている人も少なからずいるわけです。そこで少しでも見下すような素振りをしようものなら、途端に信頼を失い、口を閉ざしてしまう可能性もあると思います。

そうした意味でも、やはり社員さんへのリスペクトというのは非常に大事であり、失うべきではないのではないでしょうか。

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