私が2社目に産業医として入職した企業は、多くの方が名前を知っている有名な超巨大企業でした。転職活動をしていた際、「有名だから」ということに惹かれて、運良く内定がもらえたので入職しました。
なんとも浅はかな理由ですが、当時は小躍りしながら入職を決めました。ですが、入ってみたらやはり社風や仕事の進め方など、「うわ、合わないなぁ」ということの連続でした。
結局のところ転職したのは「失敗だったな」ということなのですが、なかなかそれを認めることができませんでした。「そのうち、この職場にも慣れるだろ」とも思っていましたが、そうはなりませんでした。
「失敗」を認められなかった要因
他の産業医や保健師とも馴染むことができず、また、人事部門の課長職とも反りが全くもって合わず、次第にストレスを溜めていきました。
やはり自分を客観的に見てみる、というのは大事なことなのですが、なかなかそれができないものです。ましてや、転職の経験が乏しく、産業医としての経験年数も浅いと「こういうもんなのか」と思い込んでしまうところがあります。

私がその職場に「合わなかった」理由
今、振り返ってみれば、
・産業保健スタッフや人事部門で関わる人が多く、馴染めていなかった(そもそもそのような職場は苦手)
・担当する関連会社が多く、訪問する箇所が多い。
・健診判定を行うボリュームがとにかく多い(最も若手で、請け負う人数はどうしても自分が多くなる…)。
・難易度の高めな面談も多かった(複雑な要因が絡み合うメンタル不調者面談、障害者雇用に関わるトラブル、人事と問題社員の対立問題…などなど。今、考えると新米産業医に対処は難しかったように思います)。
といったところがネックになっていたように思います。また、産業医の経験豊富な先輩などもおらず、困った時に「どう対処したらいいのか」と相談できる環境でもありませんでした。
今だったら、もう少し上手く立ち回れたのかな、とも思いますが、当時はなかなかそれができませんでした。そして何より、冷静に考えて「転職の失敗」を認めて早めに「次」を考えた方がよかったのかな、とも思います。ですが、それができずに3年間、ストレスを溜めに溜めた上で退職しています。
「失敗」を認めてから
転職の「失敗」と言っても、結局は自分自身と職場の相性というところに帰結するところが大きいです。正直なところ、この相性の問題はなかなか変えようがないように思います。
となりますと、「合わない」ということだったら、やはり早めに次の転職先を探すなど、動き出しておくべきであったように思います。「相性の悪さ」を薄々と感じつつも、現実を直視しようとしない…と誤魔化しつつ働いていても、やはりストレスは溜めているものです。
失敗を認めるのが早いか遅いか、最後の最後では結局のところ認めるのですから、それであれば「合わない」とはっきり早めに認めてしまって、「さぁ、これからどうしようか」と考えた方がよかったな、と私としては思います。4月に入職し、その末にはすでに「失敗した」と薄々感じていました。この時期になりますと、あの当時のことを思いだします。
ただ、「失敗」であったとしても、その職場で働いていた経験は今の仕事に活きている部分もたしかにあります(特に社員さんの悩みに寄り添うことができるという意味で)。「失敗」と認めつつ、「少なくとも次の内定がもらえるまでは頑張ろう」と思って働いていることもまた、大事な経験ではあるように思います。
ですが、我慢はなかなか長く続きません。10月から1月頃までの求人が多く出てくる時期には、しっかりと転職活動を行っておくことをお勧めします。リクルートドクターズキャリア[PR]や、医師転職ドットコム[PR]
などの転職エージェントには、早めにぜひ相談しておいて、求人紹介を受けておきましょう。

