産業医の転職は、「求人へのエントリー→書類選考→1次面接→2次面接」という流れで行われます。「内定がもらえない」という場合、基本的には「1次面接で落とされた」あるいは「2次まで残ったけど最終的にはオチた」ということが多いと思います。
いわば採用面接は、産業医に転職するためには突破しなければならない「関門」となっています。採用面接における対策のポイントについて、今回は書いてみたいと思います。
「経験」も大事な要素
たとえ落ちたとしても、「採用面接を経験する」ことで着実に経験値は上がっているわけで、「次こそは上手くいく」と思って毎回臨むという姿勢は重要なことです。繰り返すたびに、過度に緊張するということもなくなっていくはずです。
また、採用面接を受けた際には、「どのような質問をされたのか」ということはメモして残しておきましょう。この質問、そしてどう回答するかを考えておくのは最低限やっておきたいことです。
本番前、スマホで質疑応答集を簡単に確認することで、落ち着いて面接に臨めるようになるはずです。ぜひ、失敗もムダにせずに、こうして次に活かしていただければと思います。
「準備」は何をすべきか
上記のように、事前に質疑応答集を作成して「こうきたら、こう返そう」という準備をしておくことは何よりも大事なことです。よくある質問については、次の記事に掲載しております。
想定質問と回答集
私が採用面接で質問された内容としては、次のようなものがありました。
・なぜ臨床医ではなく、産業医を志望されたのですか?
・弊社を希望した理由は?
・今まで、どのような仕事をしてきましたか?
・今までの仕事で、一番辛いものはなんでしたか?また、その経験からどのようなことを学びましたか?
・社員さんと接する上で、どのような立場で関わろうとお考えですか?
・入職した後、どのような仕事をしたいと考えていますか?
・弊社はメンタル不調者も多く対応に苦慮しています。入職された際には、どのようにご対応をいただけますでしょうか?
などがあり、こうした質問には少なくとも答えられるように、想定質問と回答をまとめておきましょう。
今までの業務内容の整理
転職活動において、「経験の棚卸し」などと言ったりしますが、今まで自分がどのような仕事をしてきたのか、しっかりとまとめておくことは大事なことです。
たとえ臨床医で、「これから産業医になろうと思っている」という方であっても、その人の今までの働きぶりを知っておきたいと企業側も思うはずです。真面目に、ひたむきに仕事と向き合っている人なのかどうか、また「産業医になる」上での接点となる部分についても、説明できるように整理しておきましょう。
基本的には、履歴書を事前に渡しており、その履歴書に沿って説明をしていくことになると思いますので、履歴書をもとに自分でプレゼンができるかどうか事前に確認をしておくべきです。
個別の企業対策
一般的な採用面接対策に加えて、あまり産業医の転職希望者が行っていないのが「個別の企業対策」です。どのような企業なのか、その特色を知っておいて、どのような問題点・課題があるのかといったことを分析することになります。
具体的には、次の記事に詳しく書いております。
簡単にまとめますと、
・(企業のHP)企業概要と事業内容:どのような企業であり、業種は何なのか、事業内容(何で儲けているのか)ということは最低限押さえておきましょう。また、どのような規模(社員数、グループ会社の有無、支社数)の企業なのかということも、入職してからの業務量に関わってきます。
・(企業のHP)トップメッセージ:企業のトップのメッセージは、「どのような理念を持っているのか」「今後、目指すものは何なのか」といったことが語られていると思います。そのようなことを覚えておき、「弊社を志望された理由は?」と質問された時に、「◯◯という理念に共感をしたからです」といった形で利用することもできます。
・(企業のHP)IR情報:投資家向けの情報であり、その企業の経営状況・財務状況・業績動向などの情報が掲載されています。
・(企業のHP)採用情報:企業のホームページには、「こうした人材を歓迎したい」という採用情報を掲載していることもあり、社風を知ることにも繋がります。
・就職、転職口コミサイト:OpenWorkなどであり、退職者のネガティブな声などが書かれていることも多く、企業の課題となる点を知ることにも役立ちます。
以上です。
なお、求人紹介会社に登録して求人紹介を受けておりますと、採用面接対策についてレクチャーやアドバイスを受けることもできます。ですので、転職活動をする際には、ぜひリクルートドクターズキャリア[PR]などにご登録の上、相談をすることをおすすめします。ドクターは無料で利用できます。