産業医の転職で重要な「人間関係」とは-3つの軸で考えるべき問題

産業医に限りませんが、転職は「人間関係」が非常に大きなウェイトを占めていると思います。そもそも転職をするきっかけが「煩わしい、ストレスフルな人間関係から逃れたいため」ということも珍しくない以上、転職してからも「人間関係はどうなんだろうか」というところは気になるところだと思います。

厄介なことに、こうした人間関係は転職してからでないと本当のところは分からないので、入職後に「失敗したなぁ…」と思うことも珍しくないです。

産業医の転職では、特に「3つの軸」で考える必要があると思います。その3つの軸とはどのようなものか、今回の記事では書いてみたいと思います。

産業医同士の人間関係

企業によって、産業医の人数というのは異なっています。産業医一人体制のところもあれば、複数人体制のところもあります。

そもそも一人であればこの人間関係に悩まされることはないでしょうけども、統括産業医と平産業医、そして先輩・後輩といった人間関係があり、場合によっては「統括産業医が少々クセが強くて大変…」というところもあります。

特に未経験や経験が浅い内は、先輩産業医がいることで相談できたり、あるいは企業からの相談事や厄介事を引き受ける「盾」になってくれることもあり、できれば複数人体制の企業の方がおすすめだとは思いますが、その一方で人間関係に悩まされる可能性もあります。

保健師との人間関係

産業医・保健師との人間関係もまた、こじれると厄介なこともあります。特にベテラン保健師さんですと、産業医に「意見する」ということも珍しくなく(同じ医療職同士ですし、本来あって然るべきだとは思いますが)、衝突するなんてことも起こり得ます。

特に産業医としての経験が浅い時には、ベテラン保健師に対して下手したてに出ておいた方が吉であるように思います。このあたり、保健師さんのキャラクターや自分との相性にもよる人間関係となります。

採用面接の時などでは接点がないため、入職した後に「うわ、強烈…」というキャラの保健師さんに当たったりするケースもあったりします。

人事労務担当者との人間関係

面談後のフィードバックを行ったり、あるいは「先生、この社員の面談をお願いします」と依頼してくる、人事の窓口的な社員もおり、業務をする上で、こうした人事労務担当者との関係というのも大事な要素です。場合によっては、その上の課長~部長に業務上の報告・相談をすることもあります。

また、人事の課長・部長レベルの社員が「実質的な産業医の評価を行う上司」となりうるケースも結構多いと思います(業務の実績評価が行われる際は、部長もしくは課長と1on1のミーティングを行うケースも結構あります)。

こうした一面を捉えれば、「人事の一員として働き、評価される」という部分もあると思われます。ですので、人事労務担当者との人間関係もまた、産業医にとって重要な要素であると思います。

以上です。
こうした3つの軸での人間関係が、良好であるかどうかによって、働きやすさは左右される傾向にあります。採用面接時などに、観察できるようであれば「産業医・保健師・人事労務担当者」との相性はどうか、という観点からチェックしておくことは大事なことであると思います。

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