産業医として社員さんの面談を行っておりますと、中には「退職」という選択をされる方もおります。今までメンタル不調で悩んでいた方が、「あれ?妙にすっきりとした感じで、晴れやかに表情がなっているな」と思うと、「実は転職することになりまして」と打ち明けられるわけです。
転職をするかどうか悩んでおられると、それは苦しい思いをするものです。そんな時、ふいに「よし転職しよう」と決意をするわけですが、そのきっかけとなるのは些細なことだったりもします。
奥さんの一言であったり、今まで仕事に熱中してこれたのに急に冷めてしまう瞬間があったり。あるいは、興味関心が別の方に向いて「この仕事をやってみたい」と思って転職に舵を切るということであったり。
医師の転職における「納得感」
勤務医から産業医という転身ですと、かなり環境や業務も異なりますが、勤務医が勤務医へと転職するとなると、そこで働く人、そして環境も施設による違いはある程度はありますが、ガラリと大きく様変わりするということは少ないのではないでしょうか。
あくまでも業務内容は、今までの仕事の延長線上にあることが多く、そうなりますと「何を重視した転職なのか」というところが重要になるのではないでしょうか。年収アップや、ゆったり働きたいのか、はたまた当直やオンコールの回数を減らすための転職なのか。
そうした目的があって転職をすると、「目的が叶ってよかった」ということにはなりやすいと思いますが、転職によって今度は別の点で不満というのは出てくるものです。そのあたりの満足したポイント、そして不満足なポイントを天秤にかけ、どちらが大きいのかということが医師の転職においては重要だと思います。
「納得感」なき転職の問題点
要は、「この転職は◯◯が目的だったからな」と納得できていれば、ある程度のことは許容できるのではないか、と思うわけです。
一方、なんら目的もなく「とにかく前職の仕事場がイヤで離れたかったから」ということになると、目的も叶わず、そして新たな不満ポイントが出てくるため、転職を繰り返してしまう傾向にあると思います。
転職前の分析が大事
転職する上では、「ここに入職したらどうなるんだろう」とまずは分析することは非常に大事だと思います。メリット・デメリットを洗い出し、そしてそれらを両方ともあわせ呑むことができるのか、ということを考えるべきです。
求人票だけですと、単純に年収や就業条件だけでの比較になってしまい、このあたりの評価は難しいところです。ですので、やはり実際に見学に行く、あるいはそれが日々の業務の中で難しいようでしたら、転職エージェントに気になるポイントを質問してみるといいと思います。
求人紹介だけが転職エージェントの仕事ではありません。リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントにしっかりとご自身の希望条件、どのようなイメージでの転職をしたいのかというのを伝えた上で、まずは相談からしてみてはいかがでしょうか。