産業医に転職したものの「つまらない…」と後悔しないための3つのポイント

勤務医から産業医に転職する、これ自体結構大変なことです。認定産業医の資格を取得し(他にもルートはありますが、便宜的に)、転職活動をし、前職の病院を辞めて…なんてことをやってくるわけですから、かなりの手間ヒマや費用をかけています。

ですが、いざ晴れて産業医になった、そして仕事が始まったところで「仕事がつまらない…」となってしまうのではたまったものではないと思います。

私は幸い、そのようなことにはなりませんでした。そもそも「臨床医には向かない。この道しかないんだ」と思って入ってきているわけですので、その点では違うのかもしれませんが。

そこで今回、産業医に転職したものの「つまらない…」と後悔しないための3つのポイントについて書いてみたいと思います。これから産業医に転職しようとしている方々に少しでもご参考になれば幸いです。

嘱託産業医のバイトをしてみる

まずは実際に産業医の仕事を体験してみるのはどうでしょうか。いきなり常勤の産業医として勤務するのではなく、嘱託産業医のバイトをやってみるという手もあります。

バイトであれば、常勤とは違って今の職場を辞めなければならないということはないはずです(中にはバイト禁止の職場もありますが)。いわば嘱託産業医のバイトでワンクッションを置くということです。

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に登録しておけば、産業医バイトの求人は少ないですが掲載されることはありますので、出たら条件はともかく応募してみるのはどうでしょうか。それで「企業で勤務する」ということの感覚はつかめるはずで、それがまず試金石になるのではないかと思われます。

セルフチェックしておくべきこと

私もあまり他人様のことは言えませんが、「当直、オンコール、残業もなくて給料はあんまり変わらない?しかも週4日勤務だって?そりゃやらなきゃ損だ」ということばかりが先行して産業医になろうということであれば、それは長続きしない可能性があります。

・産業医になってやりたいことはありますか?

・臨床の時間は大半が減ることになります。そのことに躊躇いはありませんか?

・病院で受けているような、「医師だから」といった特別扱いはなくなり、就業規則などはしっかりと守る必要があります。それは大丈夫ですか?

・面倒な書類仕事や健診後の判定業務などもしっかりとやる必要があります。それに耐えられますか?

・医療者以外とのコミュニケーションも格段に増えます。そうしたことを丁寧にやっていく覚悟はありますか?

といったことは一つ一つセルフチェックをしていくことは必要かもしれません。私の場合は、「臨床医を続けていけない。産業医をやっていくしかない」と思っていたので抵抗なくすんなりと産業医の道に入っていけましたが、そうでない場合は、臨床医と産業医のギャップを一つ一つ飲み込んでいくしかないのかな、と思われます。

経験豊富な産業医がいる企業を選ぶ

「仕事がつまらない」と思っているのは、単に「やるべき仕事が見えていない」という可能性があります。

たとえば、健診の判定業務・受診勧奨、安全衛生委員会への出席、社員との面談…などの定型的なルーチンワークばかりで、それ以外の「問題のある部署の改善」「会社全体で取り組むべき課題」への着手などはできていないということもあります。

その点、経験豊富な産業医がいる施設であれば、自然とそのようなプロジェクトに参加できたり、しっかりとした指導を受けられる可能性があります。だからこそ、一社目や経験が浅い時期にそのような会社を選んで転職活動を行うとよろしいかと思います。

もちろん、そのような企業こそ「経験が浅くても育てられる」ということで採用してもらえる可能性が高まるため、「一社目の壁」を超えるのにも都合が良いと思います。

まずは、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談をして、経験をしっかりと積める企業に転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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