産業医として新たにリスタートした場合、最初から何もかも把握していて、全く仕事に困らないなどという人はいないと思います。
それこそ私は産業医になって、最初の面談のことをよく覚えていますが、「何を質問したらいいのだろうか?」「何を話したらいいのだろうか?」ということばかりが頭を駆け巡り、結局、「話を聞いただけ」で終了してしまいました。面談後に記録を残そうにも、「あれ?なんて言ってたかな?」となかなか思い出すことができず、今後どのようにするかといった方針も立てることができませんでした。
面談だけでなく、安全衛生委員会、またオブザーバーとして呼ばれた会議でも意見も何も言えずただ参加していただけの状態でした。
「何もできない」ことを認めることの難しさ
産業医として「何もできない」状態の私だったわけですが、こうしたリスタートの時に、ついついしてしまう悪癖が、「知ったかぶり、分かったふり」であったりします。

分かっていない自分、何もできない自分というのを認めて「イチから学び直さねばならない」と認めるというのは、実は簡単そうに見えて結構難しいものです。特に、年齢を重ねていたり、あるいは臨床医としての経験が長いということであればあるほど、「分からないことを認め、素直に質問をすること」が難しいのではないかと思います。
反省をすることになったきっかけ
一社目では、知ったかぶりや分かった振りで、学んだり経験を積んだりすることが上手くできなかったように思います。一通りの業務はこなせますが、まだまだ「分からないこと」は多かったです。
その後、私は転職して二社目に入職するわけですが、そこで、同時期に私よりも10歳以上の離れた産業医も入職していました。
そこで一緒に仕事をすることになるわけですが、まだ産業医になりたてのその年配のドクターは「◯◯ってどういうことですか?」「◯◯って何ですか?」「これってどうすればいいんですかね?」と頻繁に人事の社員や私、保健師に質問をしておられました。
それこそ基本的、基礎的なところですが、質問をした上で、しっかりと自分でも学び直しをされており、こうした態度や姿勢が必要なのだと改めて思ったわけです。
リスタートで大事なこと
臨床医から産業医になる上では、先輩産業医と一緒に勤務するということが大事だと思っております。私がつい知ったかぶりや分からない振りをしてしまうようになったきっかけも、「身近にすぐ相談できる人がいなかったから」というところもあります。
この点、やはり複数の産業医が所属していて、相談できる環境というのはリスタートの上では非常に大事なことだと思います。
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