勤務医の評価において、患者さんウケの良し悪いは重要な要素だったりしますが、それにもまして「スタッフ、特に看護師さんのウケ」というのも大事であったりします。
「やたら看護師さんからの評判が悪い」というドクターも中にはいると思います。実際、私も後期研修医を辞めて病院を去る間際は、ついつい看護師さんたちに「塩対応」をしていまい、結果かなり評判は悪かったようです。
言い訳にはなってしまいますが、メンタル的に追い詰められて、かなりツンケンとした態度や言動になってしまっていたようです。
時間外の問い合わせの電話の対応一つ、指示書の確認に対する対応一つの違い…でもあったりしますが、評判の良し悪しはドクターによって差が出るところでもあります。実は、勤務医がこうした「看護師さんなどのスタッフからの評判が悪い」と、自分の首を絞めることになることでもあったりします。
看護師の離職を恐れる管理職・経営者
やはり国家資格を持っているということですと、「どこでも働ける」「次の職場を見つけやすい」というメリットがあります。そのため、看護師さんの離職率は10~15%と比較的高いと言われています。
そもそも日々の心身ともに負担の大きいハードワークということもあり、ストレスを溜めやすい上に、医師からもヒドイ対応をされてしまったとすれば「退職します!」ということにもなりかねません。
そのため、病院の管理職や経営者にとって「看護師の離職」は頭の痛い問題であり、ストレスの元凶になる医師には「なんてことをしてくれてるんだ」と思い、注意・指導といった厳とした対応をすることも多くなっているようです。
スタッフ不足からくる経営難
注意・指導だけならまだしも、看護師が次々と辞めていくといった事態に落ち入れば、結果として病棟運営、病院経営は上手くいかないということにもなりかねません。
そうなりますと、今度は問題医師の給料にも響いてくる可能性があるわけです。つまりは、看護師さんたちにストレスを与えている医師に対し、回り回って「罰が下る」かのようなことになるわけです。まるで自分で自分の首を絞めているかのようです…
これはやや飛躍した話になっているかもしれませんが、そこまでいかなくても、「看護師さんからの評判が悪い」医師に対し、その上司である医長はよく思わない傾向にあるわけです。つまりは、上司からの評価も落とすことになりかねません。
「お互いに気持ちよく仕事ができる」環境に
産業医をしていて、「気分にムラがあって、やたらと部下にストレスを与える上司」「お気に入りの部下ばかりひいきする上司」など、問題のある管理職が部下たちからの逆襲を受けるという様子を何度か目撃しております。
「因果応報」の一言で片付けてしまうのは躊躇われますが、問題のある社員さんたちの情報は人事側も把握・共有しており、しっかり対処していたりします。それだけ「職場の人間関係」に害を及ぼす人は問題であるということだと思います。
転職を繰り返す中で、毎回「居心地が悪くて辞めちゃうんだよなぁ…」というドクターがおられましたら、「看護師さんたちをないがしろにして、評判が悪くなってないか」ということを振り返ってみるといいかもしれませんね。