医師が転職をする上で押さえておくべき3つの「必要なこと」

私自身、最初の転職の時は右往左往してしまい、さらには退職を伝えた医長に「考えが甘い」と一蹴されて「内定辞退」という、なんともみっともない顛末を迎えてしまいました。

今振り返ってみると、転職をする上で重要なポイントが全く押さえられていなかったな、と改めて思った次第です。今回の記事では、これから初めての転職をお考えのドクターにとって同じ轍を踏んでは欲しくないという思いから書いてみたいと思っています。

特に若手のドクターで初めての転職を行おうという方にとってお役に立てれば幸いです。

転職の「目的」を決めずに走り出すべきではない

私の初回の転職では、なんとなく「もう当直したくないなぁ」「深夜に呼び出しをされたりするのはもう疲れた…」なんてことが動機となっていましたが、「では、この転職はどのような目的で行うの?」と質問されたら、端的に答えることはできなかったと思います。

このような「目的」もなくなんとなく走り出してしまう転職は、ゴールを決めずにあらぬ方向に走り出すのと一緒で、道に迷ってしまう可能性が高いです。

また、「条件の良い求人があれば転職しようかな」なんていうことで転職を行うのもまた、目的を決めていないのと同様です。「年収がいいから」「楽だから」と転職を決めると失敗するのは、やはり「このために転職をする」という主軸がなく、後悔しやすいからだと思います。

一方で、「年収アップのために転職する!」とはっきり決めている方は、「そのためにはハードな仕事でもいとわない」とある程度の覚悟ができているでしょうから、後悔することは少ないと思われます。だからこそ、そうした目的での転職はアリだと思います。

「回帰不能点」を認識しておく

転職の目的や希望条件を設定し、求人探しを行い、応募する…こうしたことは、協力してくれたり求人先の方には迷惑をかけてしまう可能性はありますが、「途中で転職をやめる」という選択肢はまだ残っていると思います。

つまりは、「転職をやめて元の職場に戻る」ということは可能だと思います。一方で、医長などの上席に「退職したいと思っています」と伝えるのは全く別だと思います。遺留されて「やはり転職をやめます」と言ったところで、上席には「退職を考えているんだよな、こいつ」と思われてしまっていることになります。

また、自分自身としても「あの時、転職していれば…」という思いを抱えながら元職場に戻ることにもなり、後悔の念を持ってしまう可能性もあると思います。

やはり、「内定を得て、退職の意向を伝える」ことは「回帰不能点」となる可能性がありますので、そこまで話が進んだら「後戻りはできない」と認識しておいた方がよろしいかと思います。

逆に言えば、求人探しを行うといったことはいくらでも引き返すことはできるということです。少しでも転職を考えたら、まずは「求人探しをしてみる」というのは間違った行動ではないと思います。

転職での失敗は取り返せる

特に若手であれば、たとえ一回目の転職で「失敗したなぁ」と思ったとしても、次で取り返せる可能性があります。

実際、私も産業医に転職して三社目でようやく「働きやすいなぁ」と思える職場に巡り会えました。だからこそ、「失敗したらそれまで。だからこそ慎重に…」と考えて何も行動できないよりは、転職したいということだったら、してみればいいのではないか、と私としては思います。

ただ、「できれば失敗したくはない」と思うのが本音のところでしょう。では、どうしたら成功確率を上げられるのかと言えば、やはり求人先の情報を多く持っている人に聞くのが一番だと思います。

「知人の紹介」などというよりは、客観的に情報を提示してくれるリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどのキャリアエージェントに相談をしてみる方が、求人情報は集めやすいと思います。

ドクター側は無料で転職支援を受けることができますので、「できるだけ効率的に、目的や希望条件の合った求人を知りたい」という場合にはぜひご活用することをオススメしたいと思います。

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