医師の転職でおすすめな「4段階のステップ」方式

私自身も、初めての転職は手探りで進めているような状況で、せっかく内定をもらったのに辞退することになってしまいました。

特に私の場合、初期研修も「近所だから」という理由でマッチングを受け、さらには後期研修も初期研修を受けたところにしていたため、就職活動らしい就職活動もしてこなかったということもあり、転職も「どうしたらいいわけ?」と本当に一からという状態であったことも原因だったと思われます。

そこで今回は、同じように「転職が初めてで、どうしたらいいのか分からない」という方に向けておすすめな「4段階のステップ方式」についてお知らせしたいと思います。

STEP1 転職目的・希望条件の整理

まずは転職を行う上での「目的」を設定しましょう。

・体力的にキツくて、当直やオンコールが少ない病院に転職したい。

・給料が安くて不満。給料アップを目指したい。

・今の病院では望む症例数が少なくて経験を積めない。キャリアアップのために転職をしたい。

などなど、今の職場での不満をどのようにしたいのか、ということを明確にしてその目的はブレないようにする必要があると思います。

また、その目的を達成するには、どのような希望条件を設定すべきか具体的に考えていきましょう。「当直が少ない病院に転職したい→当直月2回までにしたい」「給料が少なくて不満→年収を200万ほどアップしたい」など、どのような条件で転職したいのかを設定するわけです。

また、他にどのような条件がいいのか、箇条書きにしていきましょう。もちろん、すべての条件が満たされるわけではないでしょうが、「この条件はマスト、この条件は必要、この条件は譲歩可能」などと優先順位を考えておき、交渉に備えておきましょう。

STEP2 コスパよく求人探し

医師の転職でよくある求人探しのパターンは、「知人の紹介」というものがあります。先輩など、知人を介しての紹介ですと、やはり当たり外れがあることや、「イヤでもなかなか断りづらい」というデメリットがあります。

また、「自力で求人探し」というのも、かなり労力や時間がかかるものですし、あまりおすすめはできません。やはり一番コスパの良い方法としては、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談をして「条件に該当する求人を紹介してもらう」という方法です。

条件が合わなければ応募をしなければいいだけですし、途中で「やっぱり転職は延期する、中止する」ということももちろんできます。

・該当する求人があるのかどうかを教えてもらう。

・応募する前に疑問を代わりに問い合わせてもらう。

・新着の求人が出てきたら、ネット掲載前にすぐに教えてもらえる。

なんてメリットがありますので、やはり転職をする上では転職エージェントにサポートしてもらうのが一番効率がよく、後腐れがないように思います。

希望の求人がなかなかない場合

希望の求人がなかなか出てこない、という場合もあります。その点については、

医師転職エージェントが「オファーメールを送ってこない」「良い求人を持ってこない」場合に考えられる原因と対処法
医師の求人紹介会社に登録し、エージェントに希望条件を伝えても、待てど暮せど「オファーメールを送ってこない」といったことや、「良い求人情報を教えてくれないなぁ…」ということもあったりします。 実際、私も「おっ、この求人いいな」と思って転職エー...

こちらにも書いておりますが、

原因その1:転職エージェントとの認識の相違
原因その2:転職への「本気度が低い」と思われた
原因その3:転職エージェントへの対応ミス

といった要因が考えられます。特に、転職エージェントとの希望条件に対する認識の相違があることは結構あるかな、と思われます(希望条件の優先順位についての相違など)。ですので、そんな時はぜひ転職エージェントと認識のすり合わせ、再相談をしていただく必要があるかな、と思われます。

転職シーズンについての基礎知識

「希望の求人がない」の追加情報ですが、転職にもシーズンがあります。

医師の転職開始はいつすべきか?最適な時期とは
一般的に、4月と10月に入職が多くなる傾向となります。そのため、その3~4ヶ月前程度、つまりは12月~1月にかけて、6~8月にかけて求人数は増えることが予想されます。 特に、4月をめどに退職の意向で、病院や企業が後任を探すというケースが多い...

一般的に、4月と10月に入職が多くなる傾向となります。そのため、その3~4ヶ月前程度、つまりは12月~1月にかけて、6~8月にかけて求人数は増えることが予想されます。

特に、4月をめどに退職の意向で、病院が後任を探すというケースが多いため、12月~2月にかけては活発に求人も増えていくことが多いようです。よって、転職が一段落ついた5月付近で「さぁ転職活動だ」なんてやったところで、良い求人は出てこないというのが実情なわけです。

ぜひ「転職シーズン」を意識して、12月~1月、6~8月に転職活動を本格化させるようにしていきましょう。

STEP3 応募・採用面接

これぞ転職活動というところですが、気になる求人があったら、そこに応募して書類選考→採用面接という流れになっていきます。

採用面接では、よくある誤解として「専門性の高さや、今までのキャリアが物を言う場」というものがあります。

採用側が「スタッフやコメディカルともしっかりコミュニケーションをとって、紹介や新患の患者さんを無下に断らないようなドクター」「高齢者を全人的に診療してくれるドクター」を望んでいる場合、あまりに専門性の高いキャリアについてのアピールばかりをしてしまうと、逆効果になる可能性があります。

ですので、採用側のニーズをしっかり捉える、それに沿ったアピールをする必要があります。その「ニーズをしっかり捉える」というところで、転職エージェントへの相談が活きてきます。そうしたサポートを受けているのといないのでは、大きな違いが出てくると思われます。

STEP4 病院側との交渉

採用面接の終わりなどから、本格化に「年収はいくらぐらいをご希望で?」「勤務日数や時間、外来の担当数」などといった細かい交渉の詰め作業になってきます。

特に年収についての交渉は、

医師の転職での「年収の条件交渉」を上手く進める方法と注意したいポイント
医師の転職において、採用面接で「年収はいくらを希望しますか?」と質問されることも多く、そこから条件交渉が進んでいくのが基本的であると思われます。 ある程度、転職慣れしていると、採用面接時にそのような質問がくることも予想できますし、条件交渉も...

こちらにも書いておりますが、
・「年収交渉がない」医師転職の方が危険で、交渉があるのが通常。

・年収アップを実現するための交渉ポイントがある(病院側のニーズ、収益性、業務負担の申し出)。

・年収アップが見込める「狙い目の病院」

などを参考にして交渉していっていただければと思います。また、その他の条件についても、希望条件から大きく外れないように、お互いの妥協点を探っていくことが必要になります。

採用面接の場であまり「いい顔」をして妥協しすぎてしまうと、いざ働き出すと辛くなっていきます。「譲れないライン」というのをあらかじめ想定して面接に臨むことをおすすめします。

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