私自身の初めての転職のことを思い出しますと、後期研修医として勤務していて、勤務医としての働き方に元々合っていないと感じていたことや、次々に先輩たちが辞めていくことで業務負荷が次第に高かったことなどが重なって、「転職をしようかな…」と考え始めるようになったと思います。
一方で、「転職を決意した」タイミングはそれとは異なり、そこから数ヶ月後に訪れました。患者さんからのクレームがあり、医長からお叱りを受けて「君は臨床医に向いていないね」と言われたことがきっかけだったと思います。
そこから「産業医になろう」と思って動き始めるわけですが、なかなか上手くいかずに内定をもらえる前に退職してしまいました。
このように、「転職を考えるようになる」タイミングと、「転職を決意する」タイミングは異なります。だからこそ、転職活動で注意しておきたいポイントというのが存在します。今回の記事では、そのことについて書いてみたいと思います。
「転職を考える」タイミングでの動き方
「転職を考える」ようになった頃、私は何をしていたかと言うと…はっきり言って、身になるようなことは何もやっていなかったように思います。2chを見ては、同じような境遇の人を探しているなんてことを繰り返していただけです(SNSもmixiぐらいのものでした)。
「転職を考える」ようになったタイミングでは、少なくとも以下の3点について整理したり調べることをした方がいいかな、と私としては思っています。
・転職の目的をはっきりとさせる(勤務条件、環境、人間関係などをどう変えるのか、キャリアを今後どうしたいのかなど)
・希望条件を考える(年収、勤務地、勤務日数や時間、当直やオンコールの回数など)
・転職することで、現在と働き方はどのように変わるのかを考えてみる(転職することでのメリット、デメリットをそれぞれ挙げてみる)
このようなことを考えることで、転職についてより具体的に整理することができるのではないかと思います。
転職市場での「相場」を知る
転職の目的や、希望条件を考えた。ですが、それはあくまでも自分自身の考えであり、転職市場での「相場」と乖離していて、転職によって実現するかどうかはまた別問題です。
では、その転職市場での「相場」を知るためにはどうしたらいいのかと言えば、自分自身の希望に近い求人を実際に見てみることでそれが分かると思います。
もちろん、自分自身でそのような求人を調べることはなかなか難しいため、たとえばリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談し、求人を紹介してもらうこともできます。無料で求人紹介や、転職サポートを受けることができますので、ご気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
「経験」をすることの大切さ
私は初期研修をした病院で後期研修を始めてしまったということもあり、一箇所の病院でしか勤務したことがありませんでした。そのため、他の施設ではどのようなものなのか、そこでどのように医師たちが働いているのかという比較があまりできずにいました。
応募した求人の病院を見学することで、より「転職」に対するイメージが具体的になったように思います。それに伴って、今まで「怖い、心配…」と思っていた転職の印象が「あ、なんだ。こんなものか」と変わったように思います。
だからこそ、転職を検討している病院などについては、実際に見学に行ったり、話を聞いてみることは重要だと思います。この点、やはりネットで情報を集める、人づてに話を聞くだけではなかなかイメージが湧かないので、実際に足を運んでみることをオススメしたいと思います。