専攻医をドロップアウトする=若手の内に専門医資格取得を断念する、とここではお考えいただければと思います。私自身も、内科系の後期研修半ばでドロップアウトし、専門医資格を取得できずに産業医となりました。
そうなりますと、やはり「臨床医を安定的に続ける」という道からは外れるわけで、リスクを軽減するためにいくつか考えておくべきことがあると私としては思っています。
今回は、そんな専攻医をドロップアウトして産業医になる上で意識したい「リスク軽減」するための3つのポイントについて書いてみたいと思います。
非常勤の外来バイトを続けるべき
産業医ですと、常勤であっても「1年契約更新」という方が多いと思います。そのため、「来期は契約更新しないよ」と会社側から通告される可能性もやはりあるわけです。実際、私も1社目の時にその通告を受けました。
となりますと、「次の勤務先が見つかる」まで、食いつなぐためにバイトはとても大事な収入源となりうるわけです。
また、「産業医ではなく臨床医に戻ろう」という一種の保険として、「週1回でも臨床医に戻る日」があることはとても大きなことだと思います。実際、私もそのバイトがあるから「薬の名前、検査オーダの組み立て」を忘れずにいられているということもあると思います。
すぐに転職活動できる準備を
私は3回の転職を経験しており、ようやく「腰を据えられそうな企業」に巡り合うことができました。今のところは長らく勤務できそうかなという印象ですが、これもやはり会社の都合次第というところであり、流れが変わることもあり得るのではないかと思っています。
ですので、もし転職活動を再開しなければならないということに備えて、今までお世話になったリクルートドクターズキャリア[PR]やエムスリーキャリアの転職エージェントなどの連絡先は控えています。
もし「次の契約更新はないよ」なんて事態になったらすぐに連絡できますし、どのような条件の求人を希望するのかといったことの内容は整理しています。
医師賠償責任保険の範囲
医師賠償責任保険は、臨床医の皆さんは入っているでしょうし、バイトをしている以上はやはり加入継続をすべきものだと思います。
さらに言えば、昨今ですと「産業医として訴えられた時の賠償もカバーする」という保険もあります。私はその辺を全く意識しておりませんでしたが、入っていた保険がたまたま「産業医業務もカバーしますよ」と内容変更がありましたので、気づいたという次第です。
ですので、ご自身が加入されている医師賠償責任保険が、本当に産業医の業務もカバーしているか否かということは確認をされておかれることをオススメします。