私が後期研修医だった頃、上司に実は2回「退職の意向」を伝えたことがあります。1回目は療養型の病院へ転職しようとしたものの、断念して内定辞退をしてしまった時です。そして2回目は、産業医になろうと思うもなかなか上手く行かず、結局退職してしまった時です。
その2回とも上司の反応は思わしくなく、「ここを今辞めたら、専門医資格もないし使い物にならんぞ(意訳)」「内定が得られたのも、ここに勤務しているからだ。ここを出たら転職もできなくなるぞ(意訳)」ということを言われました。
ですが、2回目の時はこちらも「もう辞める」という意思が固く、退職の撤回をしなかったところ、思わぬ結果となりました。そのことについて今回の記事では書いてみたいと思います。
なぜ上司は慰留したり脅し文句を言ってくるのか
なぜ上司が慰留したり、脅し文句を言ってくるのかと言えば、これはハッキリしています。「急に人員が抜けて、その代わりとなる人物が急に用意できなくて困るから」ということです。
特に私が勤務していたところでは、次々と中堅医師が辞めていたこともあり、かなり業務を回していくのが困難だったようです。そのため、明らかに「今辞められたら困るんだよ」ということになったわけです。
私のような出来ない後期研修にも業務の負担がのしかかるほど、マンパワー的にカツカツの状態だったというわけです。
「代わりがない」なんてことはない
私が2回目の「退職の意向」を伝え、その意思を変えなかったところ、1ヶ月もしたら急に「とっとと辞めていいぞ」というような態度に変わり、私も退職の手続きを進められました。
この間に何があったかと言いますと、その病院は大学病院からの派遣医師で回している病院であったため、結局のところ医長が大学病院へと掛け合って人員補充が可能になったからです。
「代わりが見つかったから、もう辞めていいぞ」ということになったわけです。つまりは、人員補充ができたから、退職してもらう準備が整った、で、GOサインを出せるというわけですね。
「退職を認めない」という反応でも怯まなくていい
上記のようなことを踏まえますと、「退職?そんなの認めんぞ!」といった反応は起こるべくして起きると思います。人員補充が必要だといきなり言われるようなもので、「厄介事を起こしてくれるなよ」というのが上司の正直な気持ちではないでしょうか。
ですが、そこから人員補充をしようと動き、結局代わりのスタッフが見つかれば「辞めてよし」ということになるはずです。
ですので、「退職の意向」を伝える際には、
・最初は上司の拒否反応・拒絶反応が当然あると思っておいた方がいい。
・「退職を認めない!」という反応は、代わりの人員が見つかるまでの間のこと。見つかれば、「さっさと辞めてもらっていい」という反応になるはず。
・退職する側としては、「しっかりと意思を固めてから切り出す」「切り出した後は動揺せず、意思を変えない」「辛いのは、代わりの人員を探してもらうまでの間」ということを念頭に置いて置くべき。
ということをぜひ考えておきましょう。
以上です。
退職する、あるいは退職の意向を伝えるまでには、ぜひ「次の転職先」を探してからにしておきましょう。ただ、勤務しつつ転職活動をするのはなかなか大変です。そこで、求人探しや転職活動のサポートを無料でしていただける、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにぜひ相談をしておくことをおすすめしたいと思います。