常勤産業医で「残業時間が月20~30時間」というドクターの業務を勝手に分析してみた

ツイッター上で、「大手IT系企業」の常勤産業医になった方のツイートを見かけたのですが、「残業時間が月20~30時間」とのこと。週4日勤務か5日勤務かで異なりますが、1日あたり1~2時間の残業時間ということになります。

「なんだ、それぐらいの残業毎日やっとるわ」と思われる方も多いかもしれませんが、産業医としては「え?結構残業多いよね」という感覚になります。

そこで今回、なぜこれほどの残業時間になるのか、ツイートを遡って、同業者として勝手に分析してみました。

そもそも経験が浅い

産業医になりたててですと、やはり非効率な仕事になってしまい、「こうすれば時間の節約になる」といったことがまだ把握できていない可能性があります。

私自身も、「面談はした…で、このあとどう動こうか」ということが分からなかったり、誰にどのようなことを報告・相談したらいいのかといったことが分からずに時間がかかるといったことも多かったです。面談後の記録も、やたらに長文になってしまっていたこともありました。

また、健診判定も「うーん、この数字どうしようか。受診勧奨した方がいいんだろうか?」と悩む時間も多く、やたら時間がかかってしまうということもありました。

こうした点、経験を積めばもう少し残業時間を減らせるようになるのではないか、と思われます。

担当する社員数が多い

「1日あたり8件以上の面談がある」「毎日のように勤務地が異なる」ということであり、かなりの大企業で、なおかつ支社・子会社が多い企業であることが考えられます。

そうなりますと面談や健診判定業務の量自体がそもそも多く、面談だけでなく職場巡視、安全衛生委員会数も結構な数をこなさなければならないのではないでしょうか。

「新人だし、経験を積むために担当する子会社を多くする」といったありがた迷惑の「指導」があったりするのかもしれませんが、あまりに他の産業医と業務量が異なるようだったら、「正直、しんどいです…」と上席に相談しておく方がいいと思います。

業務量の格差があったことは経験談です。不満は溜め込んでおくとロクなことがありませんので、早い段階で相談しておきましょう。

省ける仕事もある可能性

「健診後の産業医面談」なども細かく担当していることがうかがえるツイートがありました(しかも、ドタキャンが頻発しており、自ら面談対象者に連絡されているようです)。

受診勧奨後の面談ということのようですが、これは保健師と面談を分担したり(そもそもこうした健診後の保健指導・健康相談は、保健師さんの方が得意な気が…)、あるいは電話やメールなどで結果報告をしてもらって済ます、といったこともできると思います。

マニュアルなどで産業医の業務が決められているのかもしれませんが、きめ細かくお仕事をされている印象ですので、「これ無駄じゃないですか?」と提言して省いていくことも必要ではないか、と思った次第です。

以上です。
入職して1年未満、転職をすでにお考えということですが…ご自身でもツイートされている通り、経歴のことを考えると短期退職は今後の転職で不利になる可能性もあります。

ただ、今のままの勤務状況はなかなか厳しいものがあると思いますので、面談数を減らす、担当子会社数を減らすといったことを会社側に相談することをまずしてみるのはいかがでしょうか。

それでも応じてもらえないということでしたら…私であれば勤務しつつ転職活動を再開し、同じ轍を踏むことは避けたいところですので、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにしっかりと相談しつつ求人紹介してもらうと思います。

また、そこまで多忙な企業はなかなかないと思いますので、次の企業では「え?こんなに産業医の仕事って楽なの?」と思われるかもしれません。ですので、「産業医やーめた」とならないことを祈るばかりです。

産業医の求人で「受け持つ従業員数」を把握しておくのは重要です【産業医転職】
常勤産業医で言いますと、おおよそどのくらいの社員数を把握するのかというのは重要です。というのも、その数によって健診判定の数、面談数(長時間勤務者面談、ストレスチェック後の面談を含む)などが決まってくるわけですので、業務量のバロメーターになる...
産業医へ転職する際には考えたい「年収や業務量と企業の規模」の関係【医師転職】
産業医の年収は、当然ながら「企業が産業医に出せる額」によって決まるわけですが、当然のことながら大企業で利益を上げている会社の方が、小規模の企業よりも多く出せる傾向にあります。一方、社員数が多い大企業ということになりますと、面談数や健診結果の...
タイトルとURLをコピーしました