産業医に対して、企業が求めるレベル・期待値というのは、それこそ企業によって異なります。だからこそ、「未経験でもウチは雇いますよ」という企業もあれば、「バリバリの経験者求む」という企業まであるわけです。
産業医としての経験や、あるいはどんな仕事をしたいかによってそこらへんは企業とマッチするかどうかが決まると思いますが、これが合わないと大変なことになります。
そこらへんの産業医へ「企業が求めるレベル・期待値」について、今回の記事では経験を交えて書いてみたいと思います。
企業によってどのような違いがあるか
私は3社の企業に入職したことがあり、現在3社目ということになりますが、「企業が求めるレベル・期待値」は、「2社目>1社目>3社目」の順に高かったように思います。
特に2社目は、「企業に対する積極的な提案・提言」が求められ、厳しく評価されます。また、少しでも提出物や健診判定のスケジュールなどが遅れたりしますと、注意を受けたりもしました。自分なりに社員さんのために、と面談で関係各所に働きかけて動いたりしても、「やって当然」といったことで評価されることもありませんでした。
一方、3社目は「ルーティーンの業務さえしてくれればいいですよ」というスタンスです。提出物や健診判定のスケジュールが遅れるようなことがあっても、「お願いします」といった連絡がきて終わりといった感じです。また、ルーティーン業務以外の業務を行えば非常に感謝されます。
社風や業種も関係すると思う理由
2社目は、「会社の成長第一」という社風で、中途でどんどんと人員を採用しますが、「合わなかったり、結果を出せないとどんどんと切り捨てる」といったことが多かったです。その分、「社員への評価は厳しい」という印象です。
一方、3社目は「急成長は求めず、大きな問題が起きなければOK」という保守的な社風です。だからこそ、社員も比較的おおらかで評価の面で厳しい目を向けられるといったことも少ないです。
この点、「社風や業種」といった面も大きく関係しており、産業医としても馴染めるか否かという判断材料になっているように思います。
「期待値の高い」企業に入職するのもいい経験です
現在の私としては、「期待値が高いところよりは、そこそこの方がいいや」と思うわけですが、その一方で、2社目の厳しい企業を経験しておいてよかったとも思っています。
というのも、「企業が求めていること」を高いレベルでクリアすることができるようになり、結果的に「期待値の低い会社で重宝される産業医」になれるからです。この点、低い期待値のところで慣れきってしまうと、「低いレベルすら超えられない」という産業医になってしまうことも考えられます。
また、期待値が高いところは社会人としてのマナーもうるさかったりします。そのようなところで一からマナーを学ぶことができるのも、世間知らずの私にとってはよかったです。
以上です。
もし産業医としての転職でどの求人に応募しようかと迷っておられるようでしたら、上記のようなことを念頭においておくこともよろしいのではないでしょうか。
なお、どのようなレベル感なのか、どのような期待値なのかということが読めないということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談して教えてもらうことも検討してみてはいかがでしょうか。