体力的にしんどいはずの「夜勤」を希望する社員が意外と多い理由

私が勤務する企業では、日勤・夜勤のシフト制である業種の方がおられます。そうした方が心筋梗塞、脳梗塞などの大病で入院した後、復職可否を判定する面談に来られた場合、「果たして夜勤をこのまま続けてもいいものやら…」と思うわけです。

実際、日勤のみで勤務することは制度上できるわけで、「夜勤禁止」と判断することも以前ありました。しかしながら、中には「ぜひ夜勤もしたいです。ほら、主治医の意見書もあるでしょ」とおっしゃられる社員さんもいます。

しかも夜勤を希望される方は、少なくありません。なぜ体力的にしんどいはずの「夜勤」を希望するのかと聞いてみたところ、理由としては以下のようなものでした。

通勤のしやすさ

日勤ですと、朝や退社時のラッシュの時間帯で電車に乗らなければならない人もいます。特に長距離でなおかつ「座れない」ということですと、通勤は非常に大変ですね。

一方、夜勤帯ですと通勤時の電車が非常に空いていてとても快適だということのようです。そのため、「通勤で体力が削られてしまう」ということがないため、「夜勤をしている方が楽」と感じるようです。

顧客対応が減る

日勤ですと、顧客対応が結構多くて大変ということのようですが、その一方で夜勤帯は「一気に顧客対応の件数が減る」ということになるようです。

いわばクレームめいたことを言ってくることも少なくないため、顧客対応がかなりストレスフルに感じておられる方もいる中で、顧客対応が減るのは非常に好都合のようです。

「夜勤をしたい」という方における主な理由はここにあるようで、「夜勤は、業務をしないで待機していればいいだけだから楽」と感じているようです。

仮眠時間も十分とれる

大きなトラブルさえなければ、夜勤の時間帯もバタバタと働かなくても済むという業務であるため、「仮眠も十分にとれる」ということのようです。

定常業務以外は、休憩室にいてゆっくり休んでいればいいという状況でもあるため、「さほどしんどくない」というのが共通認識のようでした。

以上です。
こうしたことを話として伺い、「夜勤をしていいと判断する基準」が私の中でも下がっているようにも感じます。少なくとも主治医の判断として「夜勤をしていい」と言われており、なおかつ病状が安定していれば夜勤をしてもいいと意見書を書くようになっております。

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