「自発的ではなく、上司の指示で」やって来た社員との面談で留意しておきたいポイント【産業医マニュアル】

産業医面談に来られる社員さんとしては、「自発的に健康相談でやってきた」社員さんもいれば、「上司・人事の指示で」面談に来られる社員さんもおられます。

前者であれば、症状・病状・経過などを聴取し、必要があれば受診勧奨や人事・上司への働きかけを行ったりするわけですが、上司、あるいは人事の「指示で来ました」という方の場合は、そこにどのような「上司あるいは人事側の意図があるのか」ということを汲み取って面談を実施する必要があるように思います。

たとえば、「どうも最近、遅刻や欠勤が多いみたいで。健康上、問題があったりします?そこの判断を先生にお願いしたい」というような相談があったとして、「メンタル疾患を疑って受診するほどじゃないな。本人も望んでないし…経過観察で、以上」という話で終わっていいのでしょうか?

上司や人事としては、「勤怠が乱れてるのは問題だ」と思っているはずで、やはり産業医としても話をしっかりと聴き、生活リズムの乱れになどについても介入した方がいいように思うのです。この点、「上司・人事の意図を汲む」ということは必要だと思われます。

あるいは、よくよく話を聞いてみると「いや、実はプレッシャーのかかる会議の前日は眠れなくて、それで睡眠リズムを崩していることがあるんです」「お客様からのクレームを受けた日は夜、眠れなくなってしまって…」といった、トリガーとなるストレス要因があることもあり、それを上司なり人事にフィードバックすることも大事な役割かな、と思われます。

ですので、自発的ではなく面談に来た社員と話をする上では、「なんでこの上司/人事は面談をセッティングしたのか?」という意図を汲み取った上で臨むべきかな、と思う次第です。

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