産業医面談の中で、休職中の社員さんが復職する際に、復職の可否を判定する面談があります。主治医から既に復職許可が出ているのが前提ですが、その上で産業医として、「この社員さんは復職できるのだろうか」ということを判断するわけです。
昨今ですと、このことを「ブラック産業医」が悪用して復職を認めないと言い続け、休職期間満了・退職へと追い込むなどということもあったりして、「復職を認めないはっきりとした根拠」を示すことがやはり大事だと思います。
さて、この「復職を認めない」と産業医として判断する場合、特にメンタル疾患では以下のようなことが原因となるように思います。
・生活リズムがそもそも整っていない:活動記録表を参考にし、起床時間がバラバラで通常の勤務時間に間に合わない時間帯。不眠症状が改善しておらず、就寝時間がかなり遅い時間帯になっている…など。
・日中の活動量が不十分:ほとんど家に閉じこもりぎみで、通勤や勤務に耐えうる体力が回復していない状況と考えられる場合。また、昼寝を必ずしてしまっているような場合。
・パフォーマンスの改善に乏しい状態:本や書類を読んでいても、なかなか頭に内容が入ってこないといったことや、デスクワークを始めても落ち着かず、考えがまとまらないような状態。
といったことが挙げられると思います。その他、業務内容に応じて、「業務に耐えうるだけ回復しているのか」といったことを確認する必要があると思います。
とりあえずのところ、私としては上記の三点についてはクリアしていることが復職の条件であると考えています。
生活を普通に送れる状態→仕事ができる状態という二段階で復職を考えており、今、どの段階なのかをハッキリさせ、さらには復職にはどの条件が足りないのかを示すことで、大体の社員さんはご納得いただいているように思います。