産業医にこれからなろうという方で、「私は○○科なんですけど、産業医になって大丈夫ですかね?」「精神科領域は初期研修でローテしたぐらいなんですが、やっていけるんでしょうか?」と心配になられる方もおられます。
私が相談されたとしたら、「私も元内科医で、精神科領域は初期研修で2ヶ月ローテしただけです。それでもなんとか社員さんたちの面談や高ストレス者面談も対応できてます」「元外科医や元眼科医で、産業医を長年やられているドクターを知っています。産業医という仕事に興味や熱意さえ持っていれば大丈夫だと思いますよ」といったことを申し上げると思います。
以前、「元内科医と元精神科医、産業医に向いているのはどっち?」といった記事を書いたことがあります。
こちらでは、
・メンタル疾患での休業者への対応
・健診判定業務
・救急対応
などについて、それぞれ「元○○科」で得意・不得意な部分が違うし、産業医としての日々の業務は改めてみんな一から学ぶことになるからバックボーンはさほど問題にもならない、といった内容を書いていました。
もう一点付け加えるとすれば、「企業の意向」ということもあります。メンタル不調者が多い企業で、「ぜひ精神科の先生に来てもらいたい」という企業も中にはありますし、「生活習慣病対策に力を入れたいので、内科医の先生に来てもらいたい」と考える企業もあります。
あるいは、「産業医の経歴を重視するので、元○○科や臨床経験はさほど重視しない」というような企業もあります。ですので、この点は転職の際に「医師と企業、双方のニーズが合致する」ところに入職することが重要かな、と思っています。
以上です。
まとめとしては、
・産業医になる上で「何科がいい」という絶対的な答えはないです。産業医の業務として、それぞれのバックボーンで得意・不得意分野が異なるというだけです。
・精神科医でなくても、メンタル不調の社員さん対応は経験を積むことで可能です。
・企業によって、「求める産業医像」は異なります。転職の際に、双方のニーズが合致することが重要。
ということになります。医師側としては、入職する際に希望条件・方針と合った求人を選ぶことが重要ですが、なかなかそれを個人で行うのは困難です。ですので、リクルートドクターズキャリア[PR]の転職エージェントに相談していただくことをオススメします。