転職を考えている時に見るSNSで注意したいポイント「エコーチャンバー現象」【医師転職】

後期研修の時、実は産業医ではなく老人保健施設や慢性期の患者さんが入院する病院に転職することを考えていました。ただ、実際のところそうした転職を望んでいたわけではなく、「ただ単に現状から逃げ出したかった」ということで漠然と考えていたのだと思います。

そんな時、よく見ていたのが精神科のドクターのブログでした。その方も臨床から離れたいということで、「医療にまつわるコンサルティング業で開業」したいということを書かれていたと思います。

恐らくその頃も「コンサルティング?その道のプロが山程いる分野で、一介の医師が上手くいくかなぁ…」と心の中で思いつつ読んでいましたが、「臨床から離れたい」という希望の部分には共感して、思わず毎日のようにチェックしてしまっていたと思います。

当時はSNSと言えばmixiぐらいで、ブログでしかこうした「同志」にはなかなかめぐりあいませんでしたが、今やツイッターやフェイスブックなどで、お仲間は簡単に見つかると思われます。

だからこそ心配なのですが、「エコーチャンバー現象」にはご注意いただければと思います。直訳すれば「共鳴する小部屋現象」ということですね。

SNSでは、多様な意見に対して自らフィルターをかけてしまい、同じような意見ばかりを目にするということがあると思われます。そうしますと、それがたとえ偏った意見であっても、「これこそが正論だ」とばかりに思ってしまうようになってしまいます。

たとえば、「これからの時代はドロッポ医だ!」「QOMLを追求して何が悪い、ドロッポ医になるぞ!」といった意見ばかりを目にしてしまいますと、結果として「ドロッポ医になることが正しい」と思えてくるようになってしまうわけです(「ドロッポ医師」が誕生するまでの3ステップ-きっとあなたはまだ踏み止まれる)。

やはりそれは危険であり、できるだけ色んな意見を参考にすべきかと思います。実際、私は上記のブログ以外にも、幸いにして産業医を実際に行っておられた方のブログなども読んでおり、結果として「コンサルタントになる!」とは言い出さず、産業医になっています。

なんでも鵜呑みにしてしまうような方は少ないと思われますが、意思決定の際にSNSを参考にする上では、ぜひご注意ください。また、さらに言えば転職を考える上では、やはり誰かに相談することをオススメします。

ただ、上司や同僚に相談するわけにはいかないでしょうから、「リクルートドクターズキャリア[PR]」や「エムスリーキャリア」といったキャリアエージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

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