「初期研修を修了した直後」に産業医になるのは可能?目指すとしたら注意しておきたい3つのポイント

「初期研修を修了し、すぐに産業医になることはできるのか?」と疑問に思われる方もおられるようです。実際、初期研修中に認定産業医の資格を取得している人もいるわけですが、「研修を修了した直後に産業医になる」人はたしかに稀です。

ですが、新専門医制度もスタートし、そのハードルの高さから「専門医資格の取得を諦める」もしくは「始めから目指さない」という方も今後は増えてくるのではないかと予想されます。

そうしたドクターたちの「次のキャリア」として、産業医も一つの選択肢となると思われますが、産業医に「初期研修を修了した直後」になれるのかという実現可能性、そして目指すとなるとどのような点に注意した方がいいのかということについて今回は書いてみたいと思います。

産業医の要件とは

そもそも、産業医になる上での要件としては、

産業医になるには-要件、かかる時間・費用について
私が「産業医になろう」と思い始めた頃、今ほどネット情報もなく、「で、どうしたら産業医になれるの?」ということを調べるのに苦労した覚えがあります。 お恥ずかしながら、「産業医になるには、医師免許だけではダメ」ということも知りませんでした...

にも記載したように、労働安全衛生規則第14条の2によれば

1) 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者が行うものを終了した者
2) 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修した者
3) 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
4) 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常時勤務する者に限る)の職にあり、又はあった者
5) その他厚生労働大臣が定める者

とあり、別に「初期研修を修了しろ」とすら書いてありません。法律上は「医師であり、なおかつ必要な研修を受けて認定産業医」になっていればいいわけですね。

ですが、実際に「産業医になる」上では以下のような点に注意する必要があります。

注意点1 資格と実際に産業医として働くことの違い

認定産業医の資格を取得したとして、「さて、産業医として働くぞ」となると、そこにはまた一つのハードルがあります。企業に雇ってもらわなければ、「単に資格があるだけ」ということになってしまいます。

初期研修を修了していても、「卒後10年」を採用の条件としている企業も結構あり、「医師としての実務経験」を重要視している企業は少なくないと思います。

ですので、「産業医未経験+実務経験に乏しい」ということが採用の時点でディスアドバンテージとなりうるというのは理解しておくべきだと思われます。ただ、一度なってしまえば「産業医の経験がある」ということになり、2~3年で退職して転職活動するときもあまり困りはしないと思います。

注意点2 勤務してからの「年齢」という問題

入職できてからも、年齢という問題はやはりつきまといます。人事労務担当者、あるいは面談で話をする社員、保健師など、「みんな自分より年上」という状況になることもあります。

年配な方々と話をするのがあまり得意な方ではなかった私は、それで苦労した覚えがあります。また、平たくいえば「舐めた態度」をとってくる人も少なからずいて、それもストレスになっていました。

こうした点、慣れることや、あるいは自分自身も年齢を重ねていくことで克服できることだとは思いますが、勤務してからの問題というのもあるというのは認識しておいた方がよろしいかもしれません。

注意点3 「臨床経験」が必要な場面もあります

産業医としては、主治医の診断書や意見書をもとに判断することも多いです。診療の経験もある程度ありますと、「なるほど、次はこういう検査をして、その上でこうした治療をしていくんだな」となんとなく分かりますが、やはり臨床経験があまりに短いと、そうした予測がなかなかしづらいのではないでしょうか。

また、昨今では「疾患の治療をしながら勤務する」という社員さんも多く、「抗がん剤治療がどのようなサイクルで行われていくのか、また、どのような副作用や生活上・勤務上の注意点があるのか」ということが分からないと、サポートがなかなかできないといったこともあります。

私自身、後期研修医で短いとは言え、臨床経験を積めたことが産業医の業務に役立っていることが多くあると思っています。その点、やはり「専攻医/後期研修医」の経験をしておくのは無駄ではないと思っています。

以上です。
たしかにあまりに早い段階で産業医になる上での注意点はありますが、デメリットを差っ引いてお釣りがくるくらいのメリットもあると思っております。

産業医になることのメリットとデメリット、産業医の立場からぶっちゃけます
私が産業医として働きだして、10年近くになってきています。そもそも臨床医から産業医になろうと思ったのは、 に詳しく書いていますが、体調不良と医長との関係悪化で退職したことがきっかけであり、正直なところ「臨床医をもう続けたくない...

特に企業から「常勤産業医として雇われる」ことのハードルはありますが、この点もリクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談してサポートが受けられれば、内定をゲットできることだと思います。ぜひまずがご相談されてはいかがでしょうか。

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