初期研修医の頃、ローテーションで様々な科を回る中で、「臨床医に向かない」ということは薄々ですが自覚していました。同期は指導医との関係性も良好で、どの科を回っても上手く溶け込んでいるように見えました。
一方、私はどう立ち振る舞ったらいいかもわからず、速攻で「あ、使えない研修医だ」と気づかれ、「とりあえず問題を起こさなければ自由にしてていいから」というような扱いでした。
ですが、2年目になればそれでも慣れてくるもので、同期の真似をしつつ臨床の現場に溶け込もうとしていました。そんな日々があっという間に過ぎ、後期研修医となる時期が近づいていきました。
そんな中、面倒見のいい指導医に拾われる形で内科系の後期研修医となり、臨床医をかろうじて続けていましたが、やはり次第に「救急対応がとにかく苦手、ストレス」「当直・オンコール・深夜呼び出しなどで不眠症状が出現してきた」といった業務への不満もあり、さらにはフォローしてくださっていた指導医・先輩医師が次々に辞めていってということも重なり、ダメ押しになったようです。
それまでは「いつかは経験を積んでいけば、こうしたストレスや不満が解消されるのでは」などと淡い期待を抱いていましたが、退職する間際で、根本的に「臨床医であること」に合っていないと気づくことになりました。
内科的な診断や治療についてはそこそこの自信があり、「内科医、向いてるかも」と勘違いしておりましたが、どうやらそれだけで渡っていけるほど臨床は甘くはないと思い知らされました。
医長から「君は臨床、向いてないね」と最終通告をされたところで、ようやく臨床以外の道を探ることになったため、やはり他人からの評価、客観的な意見というのは重要なんだな、と改めて思います。
もし臨床の現場に居続け、転職を繰り返しておられるようでしたら、一度は「臨床、向いてないかもな」と振り返ってみることも重要ではないか、と臨床医から産業医へと転職した私としては思います。臨床の現場で悩み続けるよりは、臨床以外の場で居場所を見つけることの方が幸せかもしれませんよ。
そして「臨床以外」の道を歩むということでしたら、やはり第三者的な視点から意見をもらえるよう、「リクルートドクターズキャリア[PR]」や、「エムスリーキャリア」といった転職支援会社で、転職エージェントにご相談いただいてはいかがでしょうか。