ストレスを抱えている状態で「共感し、寄り添う」態度ではない人に心は開けない【医師転職】

私が後期研修医で、「もう退職しようか」と考えていた時、会えば叱責されていた医長を避けるようになっていました。今考えれば、不眠症状や抑うつ症状で大分参っていた時期で、医長から「精神科の先生に受診してみなさい」と指示されました。

その場で医長が連絡をとり、精神科の先生に受診することになりました。初期研修医時代、精神科の研修でお世話になっていたこともあり、私としては慕っている先生でしたので、今までの経過や症状、どのようなことにストレスを感じているかといったことを正直に話しました。

やはりそこは精神科のドクター。「共感し、寄り添う」といった姿勢で話を聞いてくれました。処方希望はあるかと聞かれたため、私は断り、「では、2週間後にもう一度受診するように」ということになりました。

2週間後、また話をしに行ったところ、なぜか精神科のドクターは前回と打って変わってトゲトゲとした、冷たい態度でした。どうやらこの先生、私の所属する科の医長と話して、医長の言い分を聞いていたようです。実際、私は退職間際、いくつかのトラブルを起こしてしまっていたこともあり、精神科の先生の心証を悪くしてしまい、「それはコイツが悪い」となっていたようです。

それを察して、私はパタンと心を閉じてしまい、質問に対して適当に答えて逃げるように診察室を出ました。受診予約についても「まだスケジュールがわからず、こちらから連絡させていただきます」と言って、二度と受診しませんでした。

実はこうした関係、「精神科の医師→産業医」「後期研修医の私→社員」と当てはめますと、よくあることだと思います。社員の上司や人事にべったりの産業医が、そちらの意見ばかりを鵜呑みにして、共感の姿勢を忘れていたりしますと、社員は「なんだ、産業医って会社側のスパイみたいなもんじゃないか」と思ってパタンと心を閉じます。

私も上記のような経験をして、「裏切られた…」といった思いをしましたので、やはり産業医は社員に対して「共感し、寄り添う」という態度を忘れてはならないと肝に銘じています。

一方、こうしたサポートする存在がいなくなってしまう職場というのは非常にキツイです。私もお世話になっていた先輩医師たちが立て続けに辞めてしまい、しんどい状態が続いていました。

もし周りに「共感し、寄り添ってくれる」といった存在がいない場合、さらに上司の理解が得られにくいという職場で強いストレスを感じておられるということでしたら、私としては転職も考えたほうがいいのではないかな、と思う次第です。

もし転職活動をされていて、お一人で心細いということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどに登録し、転職エージェントに面談や電話相談をしてみてはいかがでしょうか。

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