非常勤バイトをしている病院で、30代前半の医師から「産業医になるのってどうですか?」と質問されました。
「どうですか?」とはどのような意味なのか、ちょっと困ってしまいましたが、よくよく話を聞いてみると、「30代前半という専門医資格を取得する前に、専攻医研修の途中で産業医になるのはどうなんでしょうか?やっていけるものなのでしょうか?」という意味の質問だったようです。
実際、私はそのような転職を行っているわけです。後期研修の4年目に退職し、そこから産業医へと転職したわけですので、「まぁ、なんとかやっていけてるよ、私は」という回答になるのかな、と思われます。
ただ、40歳を目前として、なおかつ産業医年数が上がってきて思うのですが、「この年で産業医になっていた方が、30代前半で産業医になるよりはやりやすかったのかな」と思います。
というのも、企業で人事労務担当者と言いますと、やはりそれなりの年齢の方が多く、「周りは全員年上」という状況でした。この点、「世間知らずの若い医者が、会社のことなんか分かるのか?」と内心思っていたのではないか、と半ば被害妄想的に思っていました。
その点、今は周りも同年代か年下の担当者も増え、結果としてコミュニケーションを図りやすくなったなぁと思っています。また、30代後半で産業医デビューしたところで、なんらデメリットはないと思います。
さらに言うならば、私も今になって思うことですが、「もう少し臨床医として経験を積むのも悪くなかったな」と思っています。履歴書を見て、「○○専門医取得」と書けないのは寂しいな、とも思います。
ですので、「専門医資格を取得して、もう臨床は結構」と思った段階で産業医になる方がオススメかな、と思います。また、求人によっては「臨床経験年数10年以上」という条件を提示している企業もありますので、それも一つの目安になるのかな、と思います。
ただ、「産業医になりたい!」という気持ちが強いと迷いなく思ってらっしゃる方であれば、なんら問題はないと思います。もし求人情報をご希望ということでしたら、リクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリア
といった求人紹介会社にご登録の上、相談されてはいかがでしょうか。