私自身も、当直やオンコール、時間外呼び出しなどで参ってしまい、内科系の後期研修の継続を断念して産業医となりました。不眠症状が悪化し、結果として転げ落ちるように精神的に参ってしまいました。
では逆に言えば、「当直なし・オンコールなし・残業なし」の条件で研修を行うことができれば、私も専門医資格を取得できるのでは…と思ったわけです。ですが、結論から申し上げれば、「その条件での専門医資格取得は難しい」という結論に至りました。その理由について、今回の記事では書いてみたいと思います。
必要な症例数を集められない
特に内科系の専攻医ですと、J-OSLERに登録する症例数は非常に膨大です。三次救急病院に勤務し、当直や救急対応をしていない限り集められないということになるのではないでしょうか。
仮に「当直なし・オンコールなし・残業なし」の条件で専攻医として勤務できたとしても、結局は「症例を集められない…」ということになってしまうのではないかと思われます。
よって、やはり専攻医が専門医資格を取得する=ハードワークに耐えるということになっているのが現状だと思います。
この点、施設によってハードさは異なると思いますが、あまりにハイポ病院だとそれはそれで苦労するということだと思います。
施設側のニーズに合わない
そもそも「研修施設の基準をクリアし、申請し、専攻医を集める」というのは非常に大変です。病院がなぜそんなことをするかと言えば、若手医師に来てもらい、育てつつもバリバリと働いてもらいたいからです。
「当直なし・オンコールなし・残業なし」の条件で専攻医全員に働かせたとしたら、「なんのために専攻医を集めたわけよ」ということにもなるわけです。
この点からも、「専攻医として、無理なくゆるく研修して専門医になる」というのは難しいことなのではないかと思われます。
シビアな話、病院側としては安価でよく働いてくれる医師を集めたいわけですからね。
「専門医資格」を取得する意味
私も後期研修医時代、「専門医資格を取得して、さっさと勤務医に見切りをつけて開業したい」と考えていました。ですが、専門医としての資格を得たら、「より専門科の経験を積み、専門性を高めていく」ことを目指していくことになるのではないでしょうか。
その点、「勤務医として働き続けることから逃げ出したい」がために専門医資格を取得しようとしていたのは誤りであったように思います。
私は後期研修医を辞め、「臨床医自体が合っていない」ということから産業医になっています。もしかしたら、専攻医として研修を続けていながらも、「辛い、辞めたい…」と思われている方の中には、私と同様の方がおられるのではないでしょうか。
そのような場合、「専攻医を辞める」という選択を検討することも必要なことかもしれません。その点、
こちらの記事もご参考にしていただき、よくよく考えた上で結論を出していただければと思います。
なお、「産業医になる」あるいは「専攻医はやめて、無理なく勤務医として働く」ということでしたら、やはり求人を自ら探すのは難しいことかもしれません。特に、私のようにコネや人脈がないドクターですとなおさらです。
そのような場合、リクルートドクターズキャリア[PR]、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談して、求人をまずは紹介してもらってはいかがでしょうか。利用するドクターは無料ですし、求人情報を見て転職活動をそれでよりリアルに感じてみるというのもよろしいかと思われます。
なお、もしどの人材紹介会社がいいのか分からない、迷ってしまうということでしたら、
こちらの記事をご参考にしていただければと思います。