全く自慢できる話でもありませんが、私は転職を3回行っており、そのたびに「応募したい求人がない…」という状態からのスタートでした。
転職エージェントに「こんな希望条件で転職をしたいと考えているのですけども」と相談をし、そこから条件に近い求人をいくつかピックアップして提示してもらうわけですが、「うーん…どれもここだっていう決め手に欠けるんだよなぁ…」というのが正直な感想です。
ですが、実際のところ「応募したい求人がない…」という状況こそが、まさに「転職のスタートライン」であると私としては考えています。今回はその理由について書いてみたいと思います。
そもそも「飛び抜けた求人」があるわけない
転職エージェントが希望条件をもとに求人を集めている以上、複数の求人票が「横並び」になるのは当然のことではないでしょうか。
さらに言えば、ドクターの側も、自分自身のスキルや経験年数を勘案し、「これぐらいの条件で」と伝えた内容もまた、今、自分が勤務しているところの条件をベースとして「こんな求人であったらいいな」と提示したものではないでしょうか。
となりますと、「うわ、これは即応募だわ」という夢のような求人というのはそこにあるはずもないと思われます。
それぞれの医療機関も、まさしく「横並び」の条件を提示しているところが多いでしょうし、「欠員により急募!」「今、この科に注力したい!」というような状況でない限り、破格の年収・待遇を用意するとは考えにくいのではないでしょうか
重要なのは「数字の並び」の向こう側
勤務地、年収、勤務日数・勤務時間、当直回数・オンコール回数、外来担当コマ数…など、いわばこうした数字の並びだけでは、「年収はA病院の方が高いが、B病院の方が当直回数が少なくて済むぞ。ただ、B病院は今の勤務先から遠いのか…」などといったことしかわかりません。
ただ、求人票ではこうした表面上のことした書きようがないわけで、実際のところは採用面接で院長と話をしてみたり、あるいは病院見学で病棟の様子を見学しないとなかなか「どんな病院なのか」というところは掴みづらいと思います。
「ある程度の求人票の比較」は必要だとは思いますが、それよりもしっかりと転職エージェントと相談を重ね、「転職の目的は何なのか」「希望条件はどのようなものがあり、その優先順位はどのようなものなのか」をしっかりと伝えておくことの方が重要です。
その上で、目的や条件に合致しているというところに、まずは足を運んでその病院を実際に見てみる必要があると思います。
実際、私も「いいな」と思って応募して面接を受けたところ、「あれ?なんか話を聞いていたらちょっと思ってたのと違うぞ…」ということもありました。こうした面接時の違和感などは実際のところ入職してからも感じることがありますので、要注意です。
それでもダメなら「寝かせる」ことも
転職にも1年を通してシーズンというものがあり、求人数が増えるのは11月以降、12~1月にピークとなる、「4月入職を狙った転職」の時期です。
次に多いのが1月入職、そしてその次が10月入職となっています。逆を言えば、この「4月、1月、10月入職の3~4ヶ月前」あたりに転職活動を本格化させるのが狙い目ということになります。
さらにここから言えることは、こうした転職シーズンを無視して「よし今から転職活動始めるぞ~」と言い出した場合、それは求人数が少ないのは目に見えているわけです。そこで「いい求人がないなぁ…」と思ったところで、それは致し方ないことではないでしょうか。
となれば、いっそのこと「少し転職時期をずらして4月入職を目指そう」と考えた方がいいかもしれません。転職活動自体を「寝かせる」ことも一つの選択肢だと思います。実際に、私も1月から転職活動を開始して4月入職に間に合わず、10月に切り替えて入職をしたこともありました。
こうした方針や戦略の練り直し、転換を図るのも転職活動の一環です。ですが、転職はどのシーズンからでも早めに動き出しておいた方が得です。意外と「思わぬ時期に良い求人」が出ていることもあるので、早めに転職エージェントに相談しておくのは決して間違いではありません。
以上です。
ただ、求人紹介会社によるある程度の違いというのはあります。まずは最大手のリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアに相談しておき、どのような求人があるのかを調べるところから始めてはいかがでしょうか。