私は後期研修医をドロップアウトして、勤務していた病院を退職してしまいました。その後、なんとも非効率的な転職活動をしていたため、なかなか産業医になることができませんでした。
今振り返ってみると、なんとも無駄な期間を過ごしてしまったと思いますが、そんな経緯を経て「念願の」産業医になることができました。
その後、その企業へ入職したわけですが、その頃の私は「空回り」し続いていたように思います。そんな私の失敗について今回は書いてみたいと思います。
手探り状態からの空回り
私が入職した一社目の企業は、他に産業医がおらず、保健師2名と産業医1名体制でした。ですので、指導してくれたり、あるいはお手本となるような先輩産業医が不在となる会社だったわけです。
結果、全ての業務が私にとって「手探り」状態でのスタートとなりました。面談を依頼されて対応しても、知識や経験もないため「何をすべきか」ということが分かりません。とりあえず話を聞く、ということが続きました。
また、会議や安全衛生委員会でも、何を話すべきか分からず、意見を求められて絞り出した言葉が誰にも刺さることなく「この人、何を言ってるの?」と思われつつ宙を漂っていました。
この時期、本当に何をしても「手応え」がなく、空回りしてしまっていることを自分自身でも感じていたように思います。
フィードバックの大切さ
このあたり、やはり「お手本」となる先輩産業医がいるか否かで大きく異なると思います。そして何より大事なのは、「フィードバック」であると思います。
先輩産業医であれば、「あれはこうした方がいい」「それはやっちゃダメだよ」といったことが気軽に指摘できると思います(年上の後輩だったりすると、また話は変わってくるでしょうが)。そうしたフィードバックが私にはありませんでした。
ベテラン保健師も色々と思うところがあったでしょうが、やはり「相手が医師」となると、なかなか問題点を指摘することができません。目に余ることがあると、ようやく教えてくれるということがしばらく続いたと思います。
「何か気づいたら、ぜひ色々教えてください」と今だったら少し下手に出て言うこともできるでしょうが、当時の私にはなかなかいうことができませんでした。
一社目選びで重要なポイント
この点、2社目では複数の産業医が在籍していましたし、課長が誰彼かまわずズバズバと色んなことを言うタイプの方でしたので、様々な「フィードバック」がありました。
今、そこに戻りたいかと言われれば、「ちょっと考えます…」ですけども(笑)しかしながら、成長段階では必要なことだと思います。
一社目では特にですが、こうした複数の産業医が在籍しているような企業の方が、自分の仕事における問題点や改善すべき点を指摘されることが多いので、おすすめだと思います。
また、こうした企業であれば指導体制があるため、「産業医未経験でも応募可」のところがあり、入職しやすいというメリットもあります。もしこれから転職活動を、ということでしたら、 リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントに相談し、求人紹介を受ける上で条件をお伝えいただいてはいかがでしょうか。