勤務医ですと、「65歳定年」とされているところも多く、「まだまだ働きたい」という方にとっては「次の職場探し」ということが重要な課題となっているのではないでしょうか。
「勤務医としては十分勤め上げたし、次は別のことを…認定産業医の資格も持ってるし、産業医でも」と考えておられるかもしれませんが、実はそこには罠があったりもします。
今回の記事では、そんな勤務医が「退職後はゆったり産業医を」と考える上での罠について書いてみたいと思います。
企業側の懸念
企業側としては昨今、「保健師や人事労務担当者としっかりコミュニケーションをとれる産業医を」と考えているところも多いです。そのため、年配の先生ですと「年の離れた保健師や社員と上手くやっていけるのかしら?」と心配になる可能性があります。
また、既に産業医が勤務している場合、「統括産業医が年下」というケースもあるわけで、「統括産業医が、部下が年上だとやりづらいのでは」と考えるかもしれません。結果として、採用を見送る、もしくは書類選考の時点でお断りをする可能性もあります。
こうした「年齢」の問題を、採用する人事側は結構気にしています。そのため、常勤産業医の求人へ応募したとしても、なかなか採用してもらえない、ということも考えられるわけです。
採用の費用対効果として
医師の給与は、まだまだ年功序列、経験年数によって決まる傾向にあるため、年配のドクターは給与が高くつきます。この点、医師の給与を「コスト」として考える企業側としては、「それなら給与の低い若手を」ということになってしまうかもしれません。
また、55歳のドクターを雇って60歳までとなると実質5年、30歳のドクターならば30年(実際はそんなに勤務するかどうかは別として)勤務してくれる可能性があるわけです。採用にもコストがかかるわけで、その点も「若手を雇おう」ということにもなってしまいます。
この点もまた、上記と同様に「常勤産業医としてなかなか採用されない」ということにつながってしまうわけで、特に産業医未経験のドクターにとっては分が悪い戦いとなってしまいます。
対策として
年齢の問題については、セカンドキャリアを念頭において、50代前半から転職で動きだしておくとよろしいかもしれません。60代を過ぎても、「嘱託契約で勤務が継続できる」という企業も中にはありますので、「早めの転職を検討する」ということも手でしょう。
また、勤務日数を減らし、「週2~3日で、企業にとって低コストとなるように雇ってもらう」ということを考えることもありだと思います。この点、他の曜日には非常勤外来バイトを入れるといったこともできますので、トータルで希望年収に達するように調整は可能だと思います。
また、非常勤の産業医として複数社と契約して働くという方法もあります。常勤での勤務ではありませんが、「月1~2回、企業を訪問する」ということを複数社で行うという手で産業医として働くことも可能です。
以上です。もし産業医としての転職にご興味がありましたら、リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントにご相談いただけますと、求人を紹介してもらえますので、条件に合う求人があるかどうか、まずはご確認いただいてはいかがでしょうか。