後期研修医を辞めた私が「あ、自分はドロッポ医向いてない」と思った理由

私は内科系の科で後期研修医(現在の専攻医)をしていて、退職することになりました。その時からすでに「産業医になろう」と思っていたわけですが、闇雲な転職活動の結果、内定が決まらぬまま退職することとなってしまいました。

つまりは、自ら望んで「ドロッポ医」になったわけではありませんが、そこから数ヶ月のドロッポ医生活を送ることになったわけです。

ワクチン接種バイトなど、「人を選ばない」スポットバイトを気が向いたら行う生活を続けていました。

今回の記事では、後期研修医を辞めた私が「あ、自分はドロッポ医向いてない」と思った理由について書いて見たいと思います。

そもそも人見知り

コミュニケーション能力が高く、病院内でも如才なく立ち回れているような人だったら、そもそもドロッポ医にならないわけで。逆を言えば、人見知りで上手く立ち回ることができなかったがためにドロッポ医になったと思われます。

さて、そうした人見知りですと、何が困るかと言いますと「スポットバイトであちらこちらの場所へとおもむき、見知らぬ人と仕事をしなければならない」ということです。

非常勤のバイト先を複数掛け持ちするという働き方をしていても、私はおそらく「今日もまた別の職場か…」と憂鬱になってしまうと思います。

やはり決まったメンバーで、なおかつ休憩などで「居場所がある」職場でないと私はダメなようです。この点、人見知りだとドロッポ医は苦労するのではないでしょうか。

「気ままな生活」が向かない

自由にバイトを入れて、「働きたい時は働いて、気が向かなければ働かない」といったことが向く人はいいんでしょうが、私はどうやら向いていませんでした。

そもそも「あんまりシフトは入れたくない」となってしまいますし、そのわりには「こんなに働かない生活を送っていて、自分は大丈夫なんだろうか…」と不安になるという、訳の分からない状態になってしまいました。

また、いざ「バイトを入れよう」と思っても、そんな時に限ってなかなかめぼしい求人がなかったりするもので、それで焦ってしまう、なんてこともありました。

あとは「いつでも外出して遊べる」なんて状態ですと、意外と遠出もしませんし、せっかく外出しても「こんなふうに遊んでていいんだろうか…」なんて急に不安に襲われたりします。

この点、起業などを行って「本業」を持っている人だったり、よほど神経が図太い人でないとやっていけないのではないか、と思った次第です。

とにかく面倒くさがり

とにかく私の性格として、「面倒くさがり」だったりします。その点、「スポットバイトを自分で見つけて、応募して、やりとりをして。指定された日時や場所に出向いて…」という一連の作業が面倒で仕方がありませんでした。

この点、常勤先があることで、「とりあえず平日はここに朝9時になったら行けばいい」というスケジュールになるので、自分の性格的にそちらの方がマシだなと思えます。

「スケジュールを管理して、正確にそれを実行する」ということができるのは、それはそれで一つの才能だと思います。どうやら自分はそれができませんので、その点でもドロッポ医は自分に向いていないのかな、と思った次第です。

非常勤で毎週同じパターンでの勤務をしていても、きっと間違えてしまう変な自信があります。

「同期」のことがとかく気になる

今では地元を離れて生活をしておりますが、ドロッポ医期間中は地元で暮らしていました。そこですと、「ばったり同じ病院で働いていたドクター」と出くわすこともありますし、同期は今どうしてるといった、あまり聞きたくもない情報が入ってくることになります。

この点、「それに比べて私は…」という気持ちがムクムクと沸いてきて、「何してるんだろうな、自分…」とついつい卑下してしまっていました。

私を含め、つい自分と他人を比較してしまう傾向にある方は、やはりドロッポ医に向いていないのではないかと思う次第です。

「日銭を稼ぐため」と割り切ることはできない

当然のことながら、労働の目的としては「お金を稼ぐため」という一面があるのは分かります。だからこそ、「お金のために我慢して、割り切って働きなよ」という意見もある程度は納得できます。

ですが、その一方で、心のどこかでは「でも、せっかくだったらやりたい仕事をやりたいじゃない」という気持ちが残り、だかこそ「割り切れない気持ち」になるような気がします。

もちろん、最初から「産業医の仕事って面白い!」と思えたわけではないですし、今でも「なんだかなぁ…」という気持ちで仕事をする場面もあります。ですが、トータルで言えば奥深さも感じられて「産業医になってよかった」と思えています。

「ドロッポ医になってよかった」という方も中にはいらっしゃるのだとは思いますが、SNS界隈では自分自身を卑下していたり、ネガティブな気持ちを抱えながらドロッポ医生活を送っておられる方が多い印象です。

もしそうした思いを抱えておられていらっしゃるということでしたら、「やりたい仕事」を探してみませんか。産業医に興味があるということでしたら、やってみてはどうでしょうか。

私自身、リクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談することで産業医への道が拓けていきました。まずはそちらに登録・相談から始めてみませんか。

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