【産業医の転職活動】人によって異なる「希望条件」、だからこそ転職での「調整」が重要

勤務医から産業医になると、最初は現場の様子、労働環境などはよく分からずに飛び込むことになります。結果、求人票のデータだけが頼りになり、「週4日勤務、年収1,200万円」といったことのみで判断することになりがちです。

結果、勤務してみて「ああ、これは良いけど、あれはちょっとなぁ…」という条件が出てくるのではないでしょうか。

実際のところ私も、3社の転職を経験してみて、勤務日数や年収も大事な要素ではありますが、求人票を見ても表面には出てきづらい要素が大事であると気づきました。

そこで今回は、人によって「希望条件」が異なるが故に、転職活動での「調整」が重要な理由について書いてみたいと思います。

私にとって好条件な「産業医の求人」

私は3社それぞれ、業種も異なれば、働く条件もかなり異なる企業で働いてきました。その経験で、それぞれの企業を比較した結果、以下のような「希望条件」があることに気づきました。

・産業医が複数いる企業よりは、一人体制の方がいい(他の産業医がいるメリットより、一緒に働く気苦労の方が大きいため)。
・製造業でない企業がいい(製造業だと、工場があり祝日が休みでない可能性もあるため)。
・昇給制の企業より、固定年俸制の企業がいい(昇給制の企業で、評価に納得できないことがあったため。それだったら固定年俸制の方がいい)。
・担当する支社、子会社は少ない方がいい(移動があまり好きではないため)。
・診療所併設の企業ではない方がいい(外来診療をするなら、別日にバイトでやりたい)。
・JTC(Japanese Traditional Company)のような、改革や変化の比較的少ない伝統的な企業の方がいい(比較的新しい企業より、伝統的な企業の方が性に合っているように思います)。

もし次に転職をするとなれば、こうした条件で求人を見ていくと思います。

もちろん、このような条件は皆さんにとって好条件というわけではないでしょう。

それにしても、結構多いですね(笑)勤務してみて「ああ、転職の時に、この点をチェックしておけばよかった」という経験の積み重ねで条件が増えていきました。

「言語化」の重要性

最近の話ですが、私も「外来診療バイト」と一括りにしていましたが、クリニック勤務と病院勤務ではかなりの違いがあると気づかされました。

今まで病院の外来で働いてきて、今回クリニックで働いてみたわけです。その結果、「違和感」を最初は感じて、その正体をようやく言語化できてきたように思います。

クリニック外来の場合、独特な、ベテラン看護師さんを中心とした「ムラ社会」感(よく言えば、アットホーム感)があり、それが好き嫌いを分ける点かな、と思った次第です。私の場合、ドライな病院外来の方が向いているようです。

「なんとなくイヤだなぁ」のままですと、条件として取り入れることができません。この点、やはり「言語化」というのが重要であると思います。

「優先順位」と「調整」

ただ、すべての条件を取り揃えた求人というのは、なかなかありません。ですので、希望条件をすべて書き出してみて、そこから「優先順位」を考えていく必要があるわけです。

その優先順位付けを行う中で、「絶対に必要な条件」「あったらいいな、と思える条件」「他の条件次第ではなくてもいいと思える条件」などが出てくると思います。こうしたことを踏まえた上で、条件を「調整」しつつ求人を見ていくと、応募するものが見えてくるのではないでしょうか。

ただ、最初から条件をきつくしすぎてしまいますと、「そもそも検討する求人がない」なんてことになってしまいがちです。ですので、ある程度最初は、ゆるく求人を選別し、複数の検討する求人が出てきたら、それぞれ厳しく精査していくという方法をとるべきであると思います。

ただ、この作業はなかなか難しい上に、骨が折れます。できることならば、最初から自分で求人探しを行うのではなく、リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントとあらかじめ相談して求人紹介を受けることをおすすめしたいと思います。

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