m3.comの記事「タイミングが重要?医師の「退局」実録【東日本編】」で、「退局の際に感じたことや、苦労した・気を遣ったこと」のコメント集が掲載されていました。
「うつ病になって」といった病気が原因で退局したり、「医局での人間関係に嫌気が差して」といった、あまり好ましいとは言い難い退局という選択をした先生方もおられるようですが、中には円満退局された方もいらっしゃるようです。
・教授の退官、代替わりと同時に自分も医局を辞めた。
・いずれ地元に戻りたいことは入職時に伝えてあったため、特にトラブルなし。
・市中病院に移り、医局と関わりを持たなくても処遇に満足している。
…などなど。やはり「教授の退官」といったどさくさ、あるいは「医局と縁切りしても特に不都合を感じない」という状況に身を置けば、「円満退局」ということになりそうですね。
私自身も、公立病院に勤務しつつ卒業した大学の医局に所属していましたが、転職支援会社「リクルートドクターズキャリア[PR]」に紹介していただいた求人で産業医になり、なし崩し的に退局という形になりました。
教授への挨拶もなく、事務方に医局費を請求された際に「退局します」とメールしただけのシンプルなものでした。これも、地元には帰らない、帰ったとしても医局とは関係ない形で勤務するといったことを決めていたため、「別に退局しても困らないでしょう」と踏んだ上でできたことだとは思いますが(ただ、少なからずお世話になっていたということもありますので、挨拶ぐらいはしておいた方がよかったかな、と反省はしています)。
医局に所属していることでメリットを感じる人、デメリットしか感じない人、それは様々なように思いますね。たとえば、開業するといったことでしたら、やはり医局とのつながりはないよりはあった方がいいという考え方もできるかもしれません。その一方で、特に精神科領域では医局とのつながりは別になく、都心部に開業される先生方も多いようですね。ここら辺も、医局とのつながりを重視するかどうか、分かれてくるところですね。
たしかに、社会人として、ケンカ別れのような形は望ましくないかもしれませんが、「どうしても退局後にこれをやりたい!」「もう医局にいるのは無理!」となり、なおかつ医局とのつながりを残す必要がないようでしたら、医局の都合に合わせずとも退局宣言をするのも一つの手ではありますね。