のび太はポケットを無くしたドラえもんを捨ててしまうのか?

タイトルは、企業におけるメンタルヘルス対策のセミナーで問われた質問です。果たして、どのような意味があるのか、お分かりでしょうか?

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2013年12月12日にふつうラボという企業が行っていたセミナー『うつなどのメンタル不調を出さないための新手法』に参加させていただきました。

講師は、椎名ストレスケア研究所代表・椎名雄一さん。不登校、そして20-30歳の間、うつ病を患われており、ご自身の体験を交え、企業におけるメンタル不調者対策について語ってらっしゃいました。

その中で、タイトルのような質問がなされていました。
実は、これは”企業が社員に求めるモノ”を示しているそうです。

それぞれ何が何をたとえているのか、まずお示ししたいと思います。

・のび太=企業側
・ドラえもん=社員
・ポケット=機能、社員の働き

ということです。
つまりは、「ポケットを失ったドラえもん=メンタルヘルス不調者となった社員」ということです。果たして、のび太=企業側は、ドラえもんを捨ててしまうのでしょうか?

おそらく、アニメのドラえもんだったら、「ポケットがなくたって友達だ!」と言い切るでしょうが、現実世界の企業であるとそう言い切るのは難しいと思います。企業にとっては、経済活動を続け、利益を出さねば会社存続ができなくなってしまうので、働くことができない社員を雇い続けるのは困難です。

人は、成長するにつれ、「存在よりも機能」が重視されるようになっていきます。赤ん坊であれば、存在自体が意味あるもので、その働きが重視されることはありません。ですが、社会人になり、以降は社会の中で、もしくは会社の中でどのような働きをするかが求められる=機能のみが評価されるという状態になります。

ですが、そこで講師の椎名氏は言うのです。「自身が会社の中で要らない存在なのではないか、求められていない、と考えることでメンタル不調となる」のだと。

「存在を認めてあげて欲しい。君と働きたいんだ、と”存在”を認めてあげ、”病気が治った後に、また君と働きたいんだよ”と一言、伝えるだけでも意味があるんです。それだけでも救いになるんです」と。

ポケットを失ったら、もうドラえもんは用済み…というのでは寂しい話ですね。そして、メンタルヘルス対策が企業にも求められている現在、そのようなこともできなくなっていくと思われます。

人事担当や上司の方々は、機能だけでなく、その存在を認め、社員の休職・復職にあたっていただきたい、と講師の椎名氏は語っておられました。

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