常勤産業医として勤務する場合、基本的には社員数1,000人以上の比較的大きな企業に勤務することになるかと思われます。そんな中、子会社であっても常勤産業医を勤務させる必要がある企業というのも存在します。
実際、私は超大手企業の子会社で勤務した経験があります。そもそもその親会社の方での求人なのか、とすっかり勘違いをしていたわけですが、面接を受けに行って「あ、そういうことなのね」と気付いたということでしたが、縁あって採用してもらいました。
さて、そうした「子会社」に勤務する上では、親会社に産業医として勤務するのでは異なるポイントというのも存在します。その点について、今回はご紹介できればと思います。
ポイント1 企業規模と年収
これは産業医として勤務する上で一般的に言えることかと思いますが、その企業の規模と産業医の年収はやはりある程度の相関関係があると思われます。
ですので、親会社に勤務するのか、はたまた子会社に勤務するのかで、その年収には開きがある可能性もあります。実際、超大手企業に勤務したときの「福利厚生」面はかなり厚く、子会社で勤務した時には「あれ?」と思うこともありました(笑)
一概には言えないところですが、基本的には企業規模が大きい方が下世話な話ですが「お金払いは良いなぁ」という印象です。年収アップを狙うならば、やはり企業規模の大きなところに照準をあわせる方が正攻法だと思います。
ポイント2 「出向」社員の取り扱い
親会社の社員が子会社に出向している、というケースもあります。その場合、その親会社の社員がメンタル不調などに陥り、親会社に報告・連絡・相談をするということもあったりします。
このあたり、人事も「親会社」の絡む話ですので、より丁重に事を運ぼうとする傾向にあります。ですので、子会社の産業医としても「しっかり対応しなければな」と思うところだったりもします。
ポイント3 親会社での決定事項
親会社の意向や、決定事項などが「そのまま子会社に流れてくる」ということもしばしばあります。
それは労働衛生分野での話でもそうで、親会社で「リスクアセスメントの実施を急遽やる」「化学物質管理者を選任する」といったことが決まり、いきなり「こういうことになりました」と言われて、その対応をするということもありました。
今のところ、こちらから口を挟むということでもありませんが、こうした「親会社の決定事項」がそのまま流れてきて、「あ、そういうことになるのね」「そうするのね」となることもある、というのも念頭に置いておくとよろしいかと思います。
以上です。
ただ、私としては大会社の親会社で勤務するよりは、「ほどほどの希望の子会社に産業医として勤務する」方が性に合っているかな、と思っている次第です。もしこれから常勤産業医への転職をお考えであれば、上記の点も覚えておいて損はないかな、と思われます。
私が言うのもなんですが、求人の業種や規模、他にどれぐらいの産業医がいるかなどの情報はやはりしっかり把握したうえでぜひ面接を受けに行かれることをおすすめします。私の場合、求人紹介や転職活動の支援などについては、リクルートドクターズキャリア[PR]に毎回お世話になっています。もしこれから求人紹介を、ということでしたら、こちらをおすすめしたいと思います。