産業医に対するアンケートで、「健康経営に取り組む企業が増えているか?」との質問に、75%近くが同意を示す回答をしていたそうです。
では、実際にどのような取り組みをしているのかと言うと、上位の3つは
・健康課題の把握(定期健診受診率、ストレスチェックなど)
・ワークライフバランスの推進
・ヘルスリテラシーの向上(生活習慣や運動、食事の教育制度)/感染症予防対策
であったそうです。
では、課題と感じているものはなにかというと、その上位3つは
・企業が健康経営を推進するにあたっての課題
・ワークライフバランスの推進
・健康課題の把握(定期健診受診率、ストレスチェックなど)
となっています。
そもそも「健康経営」とは?
そもそも「健康経営」とは何かと言いますと、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義されているようです。
「従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されまる」ということであり、健康管理に積極的に取り組むことで、社員だけではなく企業側にもメリットがありますよ、という説明がよくされています。
健康経営のメリットとは
では、具体的に健康経営のメリットとは何かと言いますと、経産省の説明によって
・生産性の向上
・医療コストの削減(疾病予防に寄る傷病手当支払い、長期的医療費抑制)
・モチベーション向上
・リクルート効果(就職人気ランキングへの影響)
・イメージアップ(ブランド価値の向上)
などが挙げられます。
産業医として「健康経営に取り組んで欲しい」と依頼されたら
では、今後、産業医として企業側から「健康経営に取り組んで欲しい」と依頼されるとしたら、どう対処したらいいでしょうか?このあたり、産業医を本業としていて、常勤先から依頼されるということはなくはないという話だと思います。
そもそも企業の抱える「課題」というのはそれぞれ異なるわけで、まずは課題の洗い出しから始めるということが必要になると思われます。では、その洗い出しをどうするのかということですが、そのたたき台となるものとして、「健康経営優良法人」の認定要件が指標とできるのではないでしょうか。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/daikibo2022_ninteiyoken.pdf
組織体制作りや制度・施策の選定などを実施していく上で、最も課題にしているところ、あるいは取り組みやすいところから、チェックリストを一つずつクリアしていくといったイメージです。具体的な取り組み事例もあり、それらを参考にすることもできると思います。
もし「健康経営に取り組んで欲しい」という依頼があった場合は、こうして手順で話し合いをしていくというのも一つの方法かな、と思った次第です。