休職された方や、メンタル不調の方ですと、産業医と面談を行うという機会もあると思われます。そんな中、産業医との面談を何回かやった後に、「これって何の意味があるんだろう?」とお思いの方もおられるようです。
たとえば復職後の面談で、「あ、体調問題ない?」「休まずに勤務できてる?」といったやりとりが行われ、「じゃあ今回の面談は終わり。次はまた来月ね」なんてことが繰り返されれば、それは「なくてもいいんじゃない?主治医の方に通院してるし」と思われるのもたしかかもしれません。
ただ、せっかくの勤務時間を使って「これって無駄じゃん?」と思われてしまっては非常にもったいないので、ぜひ産業医を「上手く使って」いただくためのポイントについて書いてみたいと思います。
復職後の大目標・小目標を決めて確認
復職後、たとえば「6ヶ月で休職前の水準までパフォーマンスを戻す」という大目標に向かっていくとします。ただ、いきなりそれを目指そうとするのではなく、いくつかの小目標を立て、ステップアップをしていく必要があると思います。
最初の1ヶ月は「遅刻や早退、欠勤ができるだけないように出勤する」といった小目標になって、徐々に体を慣れさせる必要があるのではないでしょうか。
そして復帰後2~3ヶ月が経過した時点で、「徐々に業務負荷を上げてみる」「1日1時間ぐらいまでは残業をしてもOK」など、ややステップアップした小目標を立て、それが問題なくクリアできているか、メンタル不調が増悪していないかを含めてチェックしていく場にするのはいかがでしょうか。
上司・人事へのフィードバック
「体調も落ち着いているし、今の業務量であれば仕事も問題なくこなせている」ということを、上司を含めた会社側に自分で伝えることは、機会があればできますが、そうでないと難しいこともあるのではないでしょうか。
そこで、面談の内容のフィードバックを産業医にしてもらい、「問題ないということを、ぜひ上司や人事側へ伝えていただけないでしょうか」と依頼することもできると思います。
愚痴を吐いてスッキリ
なかなか同僚にも言いづらい、業務上の愚痴を単に吐いてもらう場としても利用してもらえると思います。「これは会社の人に誰にも言わないでくださいよ」と言っておいてもらえれば、守秘義務として漏らすことはありません。
胸の内に溜め込んでいること、愚痴を吐いてスッキリして、また仕事に戻ってもらうという場として、産業医面談を活用してもらうのもよろしいかと思います。