この時期の某医師の掲示板を見ておりますと、初期研修医の愚痴をこぼす指導医の先生方のコメントが散見されます。「定時に毎日のようにきっかり帰る」「少し目を離すとサボっている」「当直を拒否する」…などの不満が噴出しています。
そんな中、こうした初期研修医側で、現在は専攻医である若手ドクターのコメントが書き込まれていました。「申し訳ないとは思いつつも、臨床にやる気や興味が起きない。でも、仕事だから叱られない程度に働いている」という言葉に、「ああ、かつての自分を見ているようだ」と思いました。
当直やオンコール、深夜の呼び出しなどにストレスを溜め込み、臨床、特に勤務医を一生の仕事とすることに絶望していました。そして、開業医がどのような苦労をしているかもよく分からずに「早く開業したい」と逃げ道のように思っていました。
ストレスまみれの日々で
上記の専攻医のコメントを読んでいて、決して開き直った様子ではなく、「申し訳ないけれども」といったところも、とても共感できると思った次第です。
医師になりたい…と思っていたはずなのに、いざなってみると「あれ?今までなりたいものって何だったんだっけ?」という感覚。待っていたのはストレスフルな仕事で、毎日がとにかく憂鬱でした。
専攻医のコメントに、「だったら転職したら?興味もやる気もないなら長くは続かないよ」といった返信がついていましたが、この返信につい当時の感情が蘇るように妙に腹立たしく思ってしまいました。
「そんなことは分かっているよ。だけど、他の仕事にそんなに簡単に今さら転職できるわけないだろ。それに、他にやりたい仕事なんて別にないよ」と、当時の私もそう思っていたと思います。
コメントに共感できた理由
私の場合、「臨床はもう無理だな」ということで、なんとなく選んだ産業医が自分に合っていたようで、なんとか続けられています。ですが、その選択をしたのも1年近くかかりましたし、転職してからも数年は悩み続けていました。
だからこそ、「だったら転職したら?」のコメントに対して、「そんなに簡単なことじゃないんだよ。他人事だったらそう考えるんだろうけどね」と思ってイラッとしてしまうのかもしれません。
スレッドでは、「中堅~ベテラン医師vsハイポ寄りの若手医師」の構図で、若手医師は攻撃されまくるという内容でしたが、その中で「うん、分かるよその気持ち」という上記の専攻医のコメントがあって、ちょっと嬉しくなりました。
やる気もなく、興味もない。だけど医師という道を選んだからには、家族や周りの目もあるし仕事を続けるしかない…ということで悩んでいる人もいると思いますが、同類は少なくともここに一人います。
おまけに、私は社会人として足りない部分が多すぎて、人間関係で上手く立ち回れずに詰んでしまいました。それでもなんとかやれていますので、その点はご安心いただければと思います(下には下がいます)。
もし「もう限界…」と追い詰められるようなことがありましたら、その時はぜひ転職を考えてみましょう。ひとまず、リクルートドクターズキャリア[PR]などで求人紹介を受けますと、「いざとなりゃここに転職できるから」といった妙な安心感を感じることができます。

